高高度風力発電の中核設備である「5000平方メートル発電アンブレラ」が9月26日、中国北京市から内モンゴル自治区へと輸送された。これは、中国における高高度風力発電分野の国家重点研究開発プロジェクト「大型アンブレラ梯子式陸上高高度風力発電の重要技術と装備」が、現地での飛行試験段階に入ったことを示している。中央テレビニュースが伝えた。
高高度風力発電システムは、空中コンポーネント、牽引用ケーブル、地上コンポーネントの3つの部分で構成される。今回引き渡され、輸送された発電アンブレラは、空中コンポーネントの中核設備であり、展開面積は5000平方メートルに達し、標準的なバスケットボールコート12面分に相当する。
中国能源建設の首席科学者である羅必雄氏は、「通常の陸上風力発電と比べると、高高度風力発電は土地使用を95%節約し、鋼材使用を90%削減でき、さらに発電コストを30%低減できる。また、複数の飛行体を連結できるため、大型化・商業化において明らかな優位性を持つ」と述べた。
高高度風力エネルギーは、まだ大規模開発が行われていない再生可能エネルギーの未開拓領域であり、高風速、安定した風向、高い風力密度といった優位性を持ち、巨大なポテンシャルを秘めている。近年、材料技術や浮揚体技術、軽量モーターシステム技術の進展に伴い、高高度風力発電技術の価値が明らかとなり、世界的なエネルギートランスフォーメーションに向けて持続可能で再生可能なエネルギーソリューションを提供している。
中国は「第14次五カ年計画(2021-25年)再生可能エネルギー発展計画」や「エネルギー技術革命イノベーション行動計画(2016-30年)」などの政策を打ち出し、高高度風力発電技術を国家重点研究開発計画のガイドラインに盛り込んでいる。

画像は人民網日本語版(CCTV提供)より