2025年10月27日-10月31日
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西北工業大学、透明バイオミメティック・クラゲ型ロボットを開発

2025年10月30日

 中国・西北工業大学機電学院の陶凱教授の研究チームが、全身が透明でクラゲに似た形状を持つバイオミメティックロボットの開発に成功した。科技日報が伝えた。

「水中の幽霊」と呼ばれるこのロボットは、水中に潜むと肉眼ではほとんど識別できず、水中環境の探査やモニタリングで活用される可能性があるという。

 このロボットは直径わずか120ミリ、重さ56グラムで、革新的なハイドロゲル電極材料で作られている。チームが開発した静電油圧人工筋肉駆動装置を搭載し、クラゲが拍動で移動する際のしなやかな姿勢を正確にシミュレートでき、水中で高効率かつほぼ無音の「サイレント移動」を実現した。全体の駆動アレイの消費電力はわずか28.5ミリワットと極めて低く、水中での長時間作業を可能にしている。

 研究者は、このバイオミメティック・プラットフォームにAI(人工知能)技術を統合している。超小型カメラモジュールと組み込み型AI処理チップを搭載することで、動的な水環境下でも安定したホバリングを実現するとともに、特定の水中ターゲットを正確に識別できるようになった。

 陶教授は、「低消費電力・低騒音・高い生体模倣性を備えたこのロボットは、深海でのモニタリング、環境に敏感な海域の観測、水中施設の点検などで独自の優位性を発揮し、深海の極限環境探査が直面する重要な技術的課題に対する革新的なソリューションを提供する」と述べた。

(画像提供:人民網)

西北工業大学
 
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