2025年11月03日-11月07日
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大気・極地・宇宙天気を網羅 風雲3号H衛星の観測画像を公開

2025年11月05日

 このほど開かれた第15回アジア・オセアニア気象衛星利用者会議および2025年風雲気象衛星国際利用者会議で、風雲3号H衛星(以下「H星」)による観測画像が公開された。現在、H星に搭載された9台のリモートセンシング機器のうち6台が起動し、軌道上での試験運用が進められている。中央テレビニュースアプリが伝えた。

 今回公開された観測画像は、起動済みの搭載機器から取得したデータをもとに作成されたものである。H星は、温度・湿度・雲といった多様な大気要素をリモートセンシング観測できるほか、地球規模の温室効果ガスやオーロラなどの情報を同時に取得することも可能だ。

 観測性能の面では、H星は100メートル級の光学イメージング能力を継承している。中分解能分光イメージャは、複数の波長帯で隙間のない全球観測を毎日実施できる。また、マイクロ波温度計やマイクロ波湿度計などのマイクロ波観測装置が多波長で全球観測を行い、地球システムの多層構造における主要パラメータを取得。数値天気予報など、気象分野の中核的業務を支えている。

 台風監視においては、H星はマイクロ波温度計とマイクロ波湿度計という2種類の先進的な大気垂直探測装置を連携運用し、全球3次元大気の「CTスキャン」を実施。台風21号「マットゥモ」内部の温度・湿度の垂直分布を観測し、3次元の台風断面図を生成することに成功した。

 さらに、風雲3号シリーズは極地の高頻度観測にも対応している。H星は1日14回、南北両極を通過し、中分解能分光イメージャが取得した南極のトゥルーカラー画像では、氷雪地表や雲の分布が鮮明に捉えられている。加えて、全球測位衛星電波掩蔽観測装置により、極地の海氷や積雪を定量的に観測可能。マイクロ波温度計と湿度計は、北極の極渦や、今年10月に中国に影響を及ぼした今季初の大規模寒波の発生過程も捉えることに成功した。

 H星は2026年7月に業務試験運用段階へ移行し、全球規模のデータサービスを提供する予定だ。

10月12日に風雲3号H衛星のマイクロ波温度計とマイクロ波湿度計が観測した北極の極渦。(画像提供:人民網)

 
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