2025年12月01日-12月05日
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電気自動車の航続距離1000キロ突破へ 全固体電池の開発で新たな進展

2025年12月01日

 全固体電池は、未来の新エネルギー車産業の重要な原動力だ。中国の大手自動車企業である広汽集団では、大容量全固体電池生産ラインが完成し、現在は小規模なテスト生産が進められている。光明日報が伝えた。

 全固体電池の最大の利点は、内部に液体が一切存在せず、すべて固体材料で構成されている点だ。これにより、将来の新エネルギー車はより長く走行でき、安全性も大幅に向上するという。

 専門家によると、生産プロセスの最適化と電解質の変更が技術的なブレイクスルーになるという。広汽集団の生産ラインでは、従来の液体電解液を廃止し、独自開発の固体電解質材料を採用することで、製品の耐熱性と安全性を大幅に引き上げた。

 生産ラインでの技術的ブレイクスルーの次は、産業化と実用化だ。同社では、中国初の大容量全固体電池生産ラインが完成し、業界に先駆けて60アンペア時(Ah)以上の車載規格に対応した全固体電池の量産体制を整えている。

 同社の研究開発責任者によると、現在開発中の全固体電池はエネルギー密度が既存電池の2倍近くに達している。これにより、航続距離が500キロメートル超だった車両が、全固体電池を搭載すれば1000キロメートル以上の航続を実現できる見通しだ。計画では、2026年に小規模の車載実験を行い、2027年から2030年にかけて段階的に量産が開始されるという。

 
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