2025年12月01日-12月05日
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中国の自動車メーカーが人型ロボット事業に進出

2025年12月03日

 このほど開かれた第23回広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)で、一部自動車メーカーが有力な新車だけでなく、人型ロボット事業の新たな成果を展示した。証券日報が伝えた。

 長安汽車は自社のロボット製品「小安」を発表した。この人型ロボットは身長169センチ、体重69キロで、航続時間は2時間以上。全身は40の自由度を備えている。

 同社の関係者は、「この人型ロボットは人との交流のほか、武術パフォーマンスや作業支援を行う機能を備えている。他の機能についても開発・試験中だ」と語った。

 長安汽車だけでなく、小鵬汽車も次世代人型ロボット「IRON」を展示した。広州汽車集団も第4世代エンボディドAIロボット「GoMate Mini」を公開した。

 広州モーターショーでのロボットの登場は、自動車メーカーが人型ロボットを重要な戦略的方向性としていることを表している。賽力斯集団は今年10月、子会社の重慶鳳凰技術が字節跳動(バイトダンス)傘下の火山引擎(Volcano Engine)との間で「エンボディドAI事業協力枠組み協定」を締結したと発表した。双方は各自の強みを発揮し、エンボディドAIの共同設計などのエンドツーエンド業務を展開し、人工知能(AI)応用の新たなエコシステムを築いていく方針だ。また、今年4月には奇瑞国際公司パークで、奇瑞汽車とAiMOGAが共同開発した人型ロボット「墨甲」の第1期(220台)引き渡しが行われた。

 自動車メーカーが人型ロボット事業に続々と進出するのはなぜだろうか。

 深度科技研究院の張孝栄院長は、「これらの自動車メーカーは、成熟した自動運転の認知・判断・制御技術をロボットへ横展開できる。また巨大な自動車部品のサプライチェーンとスマート製造の経験があり、コスト削減と効率アップの基盤を持っている。しかも自社工場は製品導入に最も適したシーンとなる」と説明した。

 長安汽車は投資家リサーチイベントで、提携先と共同で研究開発した人型ロボットが、ロボットの「脳」「エネルギー」「駆動」などの中核技術でブレイクスルーを果たしたと発表した。計画によると、長安汽車は工場、店舗、家庭などの応用シーンに合わせ、「短期・中期・長期」の3ステップに従い、複数のエンボディドAIロボット製品を製造していくという。同社は来年より徐々にプロトタイプを発表し、バージョンアップを続ける予定だ。

 米調査会社IDCの予測によると、世界のロボット市場規模は2029年に4千億ドル(1ドル=約156円)を突破するという。エンボディドAIロボットは市場シェアが30%を超える重要な形態となり、ロボットの汎用化および自律化を高いレベルに導く存在になるとみられる。

長安汽車のロボット「小安」。(画像提供:人民網)

 
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