エネルギーは人類文明の進歩の基盤であり、原動力である。核融合エネルギーは、燃料が豊富で、長周期の放射性廃棄物を発生させないなどの利点を持つ。人民網が伝えた。
制御核融合は「人工太陽」とも呼ばれ、太陽の発光・発熱原理を模倣し、水素同位体である重水素と三重水素の核融合反応によってエネルギーを放出する。現在、世界の核融合エネルギー分野は重要な発展段階に入っている。先進国は研究開発投資を拡大し、核融合エネルギーの発展戦略とロードマップを策定している。制御核融合技術におけるブレイクスルーは、人工知能(AI)、高温超伝導、材料科学などの先端技術分野の発展も後押しする。
中国の核融合エネルギー開発における主要機関でもある中国核工業集団核工業西南物理研究院(以下「西物院」)は、「中国環流三号」を含む実験装置群を完成させ、複数の主要技術やコア技術でブレイクスルーを果たした。「中国環流三号」はイオン温度1億2000万度、電子温度1億6000万度(いずれも摂氏)の高パラメータ運転に成功し、中国での核融合装置運転における記録を更新した。
今年10月には、国際原子力機関(IAEA)核融合エネルギー研究・研修協力センターが西物院に設置された。中国では核融合エンジニアリングの基盤が築かれており、実験炉や商用実証炉の建設に向けて準備が進んでいる。「中国環流三号」は2027年までに燃焼プラズマ実験を実施し、核融合実験炉建設を進める予定で、今世紀半ばには、核融合による商業発電の実現が見込まれるという。

(画像提供:人民網)