中国広東省深圳市にある鹿明機器人の研究所では、床に倒れていた人型ロボットが、わずか1秒で「股関節」と「膝関節」を動かし、勢いよく跳ねるようにパッと立ち上がった。このロボットは身長1.6メートル、体重57キロで、重心が高く、より高度な制御が求められるため、強い「筋力」に加え、「大脳」と「小脳」に相当する精密な協調制御も欠かせないという。人民日報が伝えた。
同社では、瞬発力を得るために大出力・高密度の関節モジュールを独自に開発し、ミリ秒単位の運動制御プログラムと連携させるとともに、シミュレーション環境での強化学習を通じて軌道を最適化し、安定性を保っている。これらの技術が、ロボットがダイナミックで瞬発力のある動作をするための基盤となっている。
同社は独自のハードウェアとデータ取得技術を開発し、ハードウェアの継続的な改善とデータコストの低減を進めている。利用場面については、三菱電機や中遠海運などの産業パートナーと連携し、品質検査や物流分野でエンボディドAIのソリューションを共同開発し、海外市場の開拓にも取り組んでいる。
拠点がある深圳市宝安区では、「エンボディドAIポート」と呼ばれる産業集積が形成されつつあり、技術開発・製造・応用シーンが一体となる産業エコシステムが生まれつつある。ここには、高いコストパフォーマンスと迅速な対応力を備えたサプライチェーンが整っており、製品開発や高速な反復改善に大きく寄与している。
第15回全国運動会の深圳区間の聖火リレーでは、人型ロボットが100メートルの走行を担当。住宅街では四足ロボットが夜間パトロールにあたり、自動車生産ラインではロボットが搬送や自律充電交換の作業を行う。多様な応用場面と旺盛な需要が、研究開発から商用化までのスピードを加速させている。
今年、深圳市はエンボディドAIロボットの技術革新と産業発展を促す行動計画を打ち出した。こうした支援のもと、鹿明機器人としては、これまで蓄積してきた技術開発と実装の経験を生かし、エンボディドAI分野でさらなる成果を目指していく考えだ。

(画像提供:人民網)