植物はライフサイクルを通じて、新たな枝、葉、花、果実を生み出し続ける。この生命活動を支えているのが、中核的な細胞群である植物幹細胞だ。植物はどのように幹細胞の機能を維持し、強力な再生能力を発揮しているのか。中国科学院分子植物科学卓越創新センターの楊衛兵氏らの研究チームは、最新の研究でこの疑問に新たな知見を示した。中央テレビニュースが伝えた。
細胞壁は植物細胞の「外骨格」として機能し、その力学的特性は幹細胞の制御において重要な役割を果たしている。研究によると、植物の茎頂幹細胞領域では、細胞壁の主成分であるペクチンが独特の「二元分布」の特徴を示している。すなわち、新しく形成された細胞の横壁は柔らかく、脱メチル化ペクチンを豊富に含む。一方、成熟した細胞壁はより硬く、高度にメチル化されたペクチンが主成分となる。このような性質の差が、幹細胞を取り巻く微小環境の恒常性維持に重要な役割を果たしていると考えられる。関連成果は北京時間5日、国際学術誌「Science」に掲載された。