中国初となるスマート自動風力発電所が17日、寧夏回族自治区呉忠市利通区で運用を開始した。現地では、総設備容量70メガワットの風力発電所が静かに稼働し、運転・保守要員が頻繁に行き交う姿や、制御室が夜通し稼働する様子は見られなかった。代わって、ドローンや四足歩行ロボット、レール走行型の巡回点検ロボットなど300体超の「スマート要員」がそれぞれの役割を担っていた。中国新聞社が伝えた。
この発電所は、三峡能源の寧夏同利第三風力発電所だ。年間約1億3000万キロワット時(kWh)のグリーン電力を供給でき、10万世帯の1年分の電力使用量に相当する。
従来の風力発電所は、人手による巡回点検や高所作業に依存してきたが、同発電所では保守・運用の方式が大きく変わった。発電所内には5000カ所以上の点検ポイントがあり、すべてをスマート機器が担う。ドローンはドローンドック(格納設備)から自律的に離陸し、風車ブレードや送電線の鉄塔などを多角的にスキャンする。四足歩行ロボットは昇圧変電設備で変圧器などを点検し、レール走行型ロボットは配電室で計器データを正確に記録する。取得した情報はリアルタイムでスマート運用・保守システムに送られ、自動解析、異常の予兆検知、警報の発出、作業指示書の発行まで行うという。
運営会社の関係者は、「無人は決して無管理ではない。スマート機器で人手の巡回点検を置き換え、アルゴリズムで人の判断を置き換えるということだ」と説明した。以前は風車1基の点検に25時間を要したが、現在はドローンで40分に短縮でき、判定精度は98%超に上り、総合的な生産性は27%以上向上したという。システムは故障を自動識別して迅速に警報を出せるため、安全性は3~5倍高まったといい、年間で3000時間超の点検工数を削減できるとしている。

(画像提供:人民網)