第18期三中全会「決定」(全訳)
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8.社会主義民主政治制度の建設強化

 社会主義民主政治の発展には、「人民当家作主」(人民が主人となること)を保証することを根本とし、人民代表大会制度を堅持・改善し、中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度、民族区域自治制度、基層群衆自治制度を堅持し、民主制度の整備と民主形式の充実に一層配慮し、各レベル・各分野からの公民による秩序ある政治参加を拡大し、中国の社会主義政治制度の優越性を十分に発揮させる。

(27)人民代表大会制度の時代に沿った進化を推進する。人民の主体としての地位を堅持し、人民代表大会制度の理論と実践の革新を推進し、人民代表大会制度の根本的な政治制度としての役割を発揮させる。中国の特色ある社会主義の法律体系を改善し、立法起草・論証・協調・審議の仕組みを整備し、立法の質を高め、地方の保護主義と部門の利益の法制化を防止する。「一府両院」(人民政府、人民法院、人民検察院)が人民代表大会によって選出され、人民代表大会に対して責任を負い、人民代表大会の監督を受ける制度を整備する。人民代表大会が重大事項を討論・決定を行う制度を改善し、各級政府が重大な政策を決定・発表する前に同級の人民代表大会に対して報告する制度を整備する。予算・決算審査の監督や国有資産の監督という人民代表大会の機能を強化する。税収の法定原則を実現する。人民代表大会常務委員会と人民代表大会代表との連絡を強化し、代表の役割を十分に発揮する。代表連絡機構やインターネットサイトの設立や整備などを通じて人民代表と人民大衆との連絡を密にする。

 人民代表大会の活動の仕組みを改善し、座談会や公聴会、法律草案の評価や公表などを通じて公民による秩序ある立法プロセスへの参加を拡大し、質問・質疑・特定問題調査・司法審査などを通じて社会の注目に積極的に応える。

(28)協商民主の広範で多層的な制度化発展を推進する。協商民主は、中国の社会主義民主政治特有の形式であり、独特な強みでもあり、党の大衆路線の政治分野における重要な現れと言える。党の指導の下、経済社会発展の重大問題と大衆の身近な利益にかかわる現実問題を内容として、社会全体において広範な協商(協議)を展開し、政策決定の前と決定実施プロセスにおける協議を堅持する。

 手続きが合理的で各段階が整った協商民主体系を構築し、国家政権機関・政治協商組織・党派団体・基層組織・社会組織の協議手段を開拓する。立法協商・行政協商・民主協商・参政協商・社会協商のさらなる展開を進める。中国の特色ある新型シンクタンクの建設を強化し、政策決定の諮問制度を設立・整備する。

 協商民主における統一戦線の重要な役割を発揮させる。中国共産党と各民主党派との政治協商を進め、各民主党派と無党派の人々の意見に真剣に耳を傾ける。中共中央は年度の活動の重点に基づいて計画を提出し、協議会・懇談会・座談会などを通じて協議を行う。民主党派中央による中共中央への建議(提案)の直接提出制度を整備する。党の民族政策を貫徹し、少数民族の合法的な権益を保障し、平等・団結・互助・調和の社会主義民族関係を強化・発展させる。

 協商民主の重要な手段としての人民政治協商会議の役割を発揮させる。政治協商・民主監督・政治参加の制度化・規範化・プロセス化を重点的に推進する。各級の党委員会と政府、政治協商会議は、協商の年間活動計画の制定・実施を行い、一部の重要な政策決定に関しては政治協商会議の意見を聴取するものとする。人民政治協商会議の制度体系を改善し、協商の内容やプロセスを規範化する。協商民主の形式を拡大し、テーマをしぼった協商や部門ごとの協商、分野別の協商、提案処理プロセスでの協商をさらに活発に秩序よく組織し、協商の密度を増加させ、協商の効果を高める。政治協商会議において委員の連絡機構を整備し、委員の連絡制度を改善する。

(29)基層における民主を発展させる。民主のルートの円滑化を進め、基層における選挙・議事・公開・報告・責任追及などの仕組みを整える。さまざまな形式での基層民主協商を展開し、基層における協議の制度化を推進し、住民や村民による監督の仕組みを設立・整備し、都市・農村におけるコミュニティの管理や基層公共事務、公益事業における法に基づく大衆による自己管理・自己サービス・自己教育・自己監督を促進する。従業員代表大会を基本的な形式とする企業・事業単位の民主管理制度を整備し、社会組織の民主制の建設を強化し、管理と監督への参加という従業員の民主的権利を保障する。