第18期三中全会「決定」(全訳)
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14.エコ文明制度建設の加速

 エコ文明を建設するためには、系統的で十全なエコ文明制度体系を構築し、最も厳格な源流保護制度・損害賠償制度・責任追及制度を実行し、環境管理と生態修復の制度を整え、制度によって生態環境を保護しなければならない。

(51)自然資源資産の所有権制度と用途規制制度を整備する。河川・森林・山岳・草原・荒地・海岸などの自然生態空間に対する統一的な権利確定登録を行い、帰属のはっきりした、権限と責任の明確な、監督管理の有効な自然資源資産所有権制度を形成する。空間計画体系を構築し、生産・生活・生態の空間開発の規制区分を引き、用途の規制を実行する。エネルギー・水・土地の節約集約利用制度を整備する。

 国家自然資源資産管理体制を整え、全国民が所有する自然資源資産の所有者職責が統一的に行使されるようにする。自然資源の監督管理体制を整備し、所有する国土空間の用途規制の職責が統一的に行使されるようにする。

(52)生態保護のレッドラインを引く。主体機能区制度を揺るぎなく実施し、国土空間の開発保護制度を構築し、主体機能区の位置付けに厳格に照らして発展を推進し、国家公園体制を構築する。資源環境受容能力の監督・モニタリング・警告の仕組みを作り、水土資源や環境容量、海洋資源の負荷が高過ぎる地域には制限措置を実行する。開発制限区域や環境の傷つきやすい国家貧困支援開発重点県に対しては、地区生産総額に基づく評価を取り消す。

 自然資源資産負債表の作成を検討し、指導幹部に対して自然資源資産の離職時の監査を行う。生態環境の損害責任の終身追及制を構築する。

(53)資源の有償使用制度と生態補償制度を実行する。自然資源とその産品の価格の改革を加速し、市場の需給や資源の不足程度、環境ダメージのコスト、修復の効果を全面的に反映させる。資源の有償利用の原則や、環境を汚染し生態を破壊した者がコストを負担するという原則を堅持し、資源税を各種の自然生態空間に徐々に拡大する。「退耕還林」(耕地を林地に戻す)と「退牧還草」(放牧地を草原に戻す)の範囲を安定的に拡大し、深刻な汚染問題もしくは地下水の過度な汲み上げの問題のある耕地の用途を調整し、耕地や河川・湖沼を休閑させる仕組みを段階的に実現する。工業用地と居住用地の合理的な価格関係を効果的に調節する仕組みを構築し、工業用地の価格を引き上げる。受益した者が補償するという原則を堅持し、重点生態機能区の生態補償の仕組みを改善し、地区間における横方向の生態補償制度の構築を推進する。環境保護市場を発展させ、エネルギー節約量・炭素排出権・汚染物排出権・水利用権の取引制度を推進し、生態環境保護の投資に民間資本を引き入れる市場を活用した仕組みを構築し、環境汚染の第三者による監督管理を推進する。

(54)生態環境の保護管理体制を改革する。すべての汚染物の排出を厳しく監督管理する環境保護管理制度を構築・整備し、環境分野の監督管理と行政法執行を独立的に行う。陸と海とを統一調整する生態系統保護修復と汚染防止の地域連動の仕組みを構築する。国有林区の経営管理体制を整備し、集団林権制度の改革を進める。環境情報をすばやく公表し、通報制度を整備し、社会の監督を強化する。汚染物排出許可制を整備し、企業と事業単位の汚染物排出の総量規制を実行する。生態環境の損害を生んだ責任者に対しては賠償制度を厳しく実行し、法に基づいて刑事責任を追及する。