第18期四中全会「決定」
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四、公正な司法を保証し、司法の信頼性を高める

 公正は法治の生命線である。司法の公正は、社会の公正を促す重要な役割を負っている。司法の不公正は、社会の公正に対して致命的な破壊要因となる。司法管理体制と司法権力の運用メカニズムを改善し、司法行為を規範化し、司法活動に対する監督を強め、人民・大衆がすべての司法案件で公平や正義を感じられるよう努めなければならない。

(一)法に基づく裁判権と検察権の独立的で公正な行使を確保する制度を整備する。各級の党・政府機関と指導幹部は、法院(裁判所)と検察院による法に基づく職権の独立的で構成な行使を支持しなければならない。指導幹部による司法活動への干渉や具体的な案件処理への介入の記録・通報・責任追及制度を設立する。いかなる党・政府機関も指導幹部も、法定の職責に違反し司法の公正を妨げる行為を司法機関にさせてはならない。またいかなる司法機関も、司法活動に違法に干渉する党・政府機関と指導幹部の要求を実行してはならない。司法機関の案件処理に干渉した者に対しては、党紀律または行政紀律に従った処分を科す。冤罪・虚偽・誤審またはその他の深刻な事態を生んだ場合については、法に基づいて刑事責任を追及する。

 行政機関の法に基づく出廷・応訴や法院の行政案件受理の支援、法院による裁判結果の尊重・実行のための制度を整備する。司法機関の法に基づく職権行使の妨げとなったり、すでに発効となった審判と決定の実行を拒否したり、法廷の権威を無視するなどの違法犯罪行為を罰する法律規定を改善する。司法人員による法定職責の保護体制の構築・整備をする。法定事由によらず、法定プロセスを経ない場合は、裁判官や検察官の転任や解雇を決めたり、免職や降格などの処分を下したりすることはできない。

(二)司法の職権配置を改善する。公安機関・検察機関・裁判機関・司法行政機関の各職権を整え、捜査権・検察権・裁判権・執行権が相互に協調・制約する体制や制度を実現する。

 司法体制を整備し、裁判権と執行権を分離する体制改革の試行を推進する。刑事罰の執行制度を整備し、刑事罰の執行体制を統一する。司法機関の人員・財産・物品の管理体制を改革し、法院と検察院の司法行政事務管理権と裁判権、検察権の分離実施を検討する。

 最高人民法院は、巡回法廷を設立し、行政区域をまたぐ重大な行政民事・商事案件の審理を行う。地域をまたいだ案件の審理を行うため、行政区画をまたいだ人民法院と人民検察院の設立を検討する。行政訴訟体制・制度を改善し、行政訴訟案件管轄制度を合理的に調整し、行政訴訟の立案・審理・執行が困難であるといった突出した問題を適切に解決する。

 法院の案件受理制度を改革し、立案審査制を立案登録制に変更し、人民法院が法に基づいて受理すべき案件に対しては、案件があれば必ず立て、訴えがあれば必ず審理し、当事者の訴権を保障する。虚偽の訴訟や悪意の訴訟、道理のない訴訟などの行為に対する懲罰を強化する。刑事訴訟における自供や懲罰受け入れに対する酌量制度を整備する。

 審査の等級制度を整備し、一審は事実の認定と法律の適用を重点とし、二審は事実の法的な争議の解決を重点とし、二審による最終決定を実現する。再審は、法に基づく誤りの訂正や、裁判の権威の維持を重点とする。公民の人身や財産権益にかかわる行政強制措置に対する司法監督制度の実施を改善する。検察機関が職責履行中、行政機関の職権の違法行使や不履行を発見した際には、是正を促す。検察機関による公益を目的とした提訴制度の設立を検討する。

 司法機関内部の各等級の権限を明確化し、内部の監督・制約のメカニズムを整備する。司法機関内部の人員は、他の人員が処理している案件に、規定に反して干渉してはならない。司法機関内部の人員による案件介入の記録制度と責任追及制度を構築する。主任裁判官や合議審、主任検察官、主任捜査員の責任制を整備し、案件を担当した人員の責任を明確化する。

 職務犯罪の手がかりの管理を強化し、受理・分配・処分・フィードバックの制度を整備し、紀律検査・監察と刑事司法処理との基準とプロセスの連結を明確化し、職務犯罪の案件を法に基づいて厳格に処理する。

(三)厳格な司法を推進する。事実を根拠、法律を原則とし、事実認定が客観的な真相に符合し、処理結果が実体的な公正に符合し、処理過程が秩序と公正に符合する法律制度を整備する。司法解釈と案例指導を強化・規範化し、法律の適用標準を統一する。裁判を中心とした訴訟制度改革を推進し、捜査・審査を経て起訴された案件証拠の法的な有効性を確保する。証拠による裁判という規則を全面的に貫徹し、証拠の収集・固定・保存・審査・運用を法に基づいて厳格に行い、証人や鑑定人の出廷制度を整備し、事実の明確化や証拠の認定、訴権の保護、公正な裁判における法定審理の決定的な役割を保障する。

 各種の司法人員の職責や業務プロセス、業務標準を明確化し、案件処理の質の終身責任制と誤審責任の遡及責任制を実施し、案件処理を法律と歴史の検証に耐えられるものとする。

(四)人民・大衆による司法参加を保障する。「人民司法は人民のためにある」という原則を堅持し、人民を頼りとして公正な司法を推進し、公正な司法を通じて人民の権益を守る。司法による仲裁や事情聴取、訴訟にかかわる陳情などの司法活動において人民・大衆の参加を保障する。人民陪審制度を整備し、公民の陪審権を保障し、審理参加範囲を拡大し、ランダム抽選方式を整え、人民陪審制度の信頼度を高める。人民陪審員は法律適用の問題を審理するのではなく、事実認定問題の審理にだけ参加することとする。

 「開放的で/ダイナミックな/透明度が高く/市民向けの」明るい司法制度を構築し、審理の公開、検察活動の公開、警務の公開、刑務の公開を進め、法執行や司法の根拠、プロセス、結果、発効した法律文書を法律に基づいてただちに公開し、背後での不正操作を根絶する。法律文書の解釈や説明を強化し、発効した法律文書を一律でネットに上げ、公開で閲覧できる制度を設立する。

(五)司法による人権保障を強化する。訴訟過程での当事者とその他の訴訟参加者の知る権利、陳述権、弁護・弁論権、申請権、上訴権などの制度的保障を強化する。罪刑法定や推定無罪、違法証拠の不採用などの原則を実現した法律制度を整える。人身の自由を制限する司法措置や捜査手段に対する司法監督を進め、刑事訊問における自白強要や違法な証拠集めを源泉から断ち、冤罪や誤審の有効な防止と即座の是正のメカニズムを整える。

 「法執行の難度が高い」問題を適切に処理し、強制執行法を制定し、案件にかかわる財産の差し押さえや押収、凍結、処理の司法プロセスを規範化する。信用喪失被執行者の信用監督や強制、懲戒のための法律制度の構築を加速する。勝訴した当事者のすばやい権益実現を法に基づいて保障する。

 終審・訴訟終結制度を実現し、訴訟と陳情の分離を実行し、当事者による法に基づく上訴権の行使を保障する。司法機関の裁定に不服で上訴を決定したものについては、弁護士による代理制度の実行を進める。弁護士を雇う余裕のない上告人は法律による援助の対象とする。

(六)司法活動に対する監督を強化する。検察機関の監督権行使にかかわる法制度を整え、刑事訴訟や民事訴訟、行政訴訟に対する法的監督を強化する。人民監督員制度を改善し、検察機関が職務犯罪を処理する際の立案や拘留、財産の押収・凍結、起訴などの法執行活動を重点監視する。司法機関は、社会の関心に即応しなければならない。案件に対するメディア報道を規範化し、司法の公正さに対する世論の影響を防ぐ。

 司法人員が、当事者・弁護士・特殊関係者・仲介組織と接触・交流することを、法律に基づいて規範化する。司法人員が当事者や弁護士と私的に接触し、案件の情報を漏らしたり、情報の打診を手伝ったり、接待を受けたり、財産を受け取ったり、弁護士に代理や弁護の業務を紹介したりといった法律や紀律に違反する行為を厳しく禁じ、司法の仲介行為を断固として取り締まり、利益目的の司法の動きを防止する。

 法律や紀律の違反で公職を負われた司法関係者や就業資格が取り消された弁護士や公証人には、法律職に従事することを終身禁じ、犯罪を構成するものについては法律に基づいて刑事責任を追及する。

 各種の「隠れたルール」を断固として打ち破り、法の外での寛大な措置や「関係案件」「人情案件」「金銭案件」を許さない。特権思想やエリート主義、横柄な態度には断固反対し、これを克服する。横柄で野蛮な法執行に断固反対し、これを罰する。司法分野の腐敗は絶対に許さず、集団の害となる例を断固として取り除く。