第三編 転換のアップグレード 産業コア競争力の向上
トップ  > 政策>  国家政策 >  国民経済と社会発展 第十二次五ヵ年計画 >  第三編 転換のアップグレード 産業コア競争力の向上 >  第九章 製造業の改造・高度化

第九章 製造業の改造・高度化

 構造を最適化し、品種・品質を改善し、産業付帯能力を強化し、立ち遅れた産業能力を淘汰し、先進的な設備製造業を発展させ、原材料工業を調整・最適化し、消費財工業を改造・グレードアップし、製造業の「 大」から「強」への質的飛躍を促す。

第1節 重点産業の構造調整の推進

 製造業界は、基礎技術・基礎材料・基礎部品の研究開発およびシステムインテグレーションの水準を高め、重要な技術・プラント設備の研究開発および産業化を強化し、設 備製品のインテリジェント化を推進する必要がある。

船舶業界は、国際造船の新基準に適応し、現代造船モデルを構築し、高技術・高付加価値の船舶・関連設備を発展させる必要がある。

 自動車業界は、完成車の研究開発能力を強化し、コア部品に関する技術の自主化を実現し、省エネ・環境保護・安全技術の水準を高める必要がある。

 冶金・建材業界は、国内需要に立脚点を置き、総量拡張を厳しく抑制し、品種構成を最適化し、製品の開発研究、資源の総合利用、省エネ・排出削減などにおいて、新たな進展を遂げる必要がある。

 石油化学業界は、原料の多元的な発展に関する新たな手立てを積極的に模索し、ハイエンド石油化学製品を重点的に発展させ、化学肥料原料の調整を加速させ、石 油製品の品質のグレードアップを推進する必要がある。

 軽工業・紡績業界は、環境保護・品質安全を強化し、企業ブランドの確立を強化し、技術設備の水準を高める必要がある。

 包装業界は、先進的な包装設備、包装新素材、ハイエンド製品の発展を加速させる必要がある。

 電子情報業界は、研究開発の水準を高め、基礎電子の自主発展能力を強化し、産業チェーンのハイエンドへの延伸を促す必要がある。

 建築業は、グリーン建築、グリーン施工を普及させ、先進的な建築、材料、情報技術を用いて産業構造とサービスモデルを最適化する必要がある。

 立ち遅れた生産能力の淘汰に一層力を入れ、過剰生産能力を圧縮・整理する。

第2節 産業配置の最適化

 地域主体機能の位置付けに基づいて、エネルギー資源、環境容量、市場空間などの要因を総合的に考慮し、重要産業の生産力の配置を最適化する。

 中国国内のエネルギー資源と鉱物資源の重要プロジェクトを主なよりどころとし、中西部地域の資源地の配置を最適化する。輸入資源の重要プロジェクトを主に利用して、沿海国境地区の配置を優先する。 

 都市の鉄鋼企業、非鉄金属・鉱物企業、化学工業企業の環境保護のための移転を秩序立てて推進する。

 原油加工能力の配置を最適化し、川上・川下が一体化した発展を促進する。生産要素の集約を促す。

 国家重点事業をよりどころとし、国際競争力を持つ先進的な製造業拠点を建設する。産業チェーン、産業パークによって、専門性と明らかな特徴、突出したブランドイメージ、整 ったサービスプラットフォームを備える現代産業クラスターを発展させる。

第3節 企業の技術改造の強化

 企業の技術改造の支援に関する政策を制定し、新しい技術・材料・設備の応用による伝統産業の改造・ブレードアップを加速させ、市場の競争力を高める。

 企業の設備水準の向上、生産プロセスの最適化を支援し、遅れた技術や設備を早急に淘汰し、エネルギー資源の総合利用水準を高める。

 企業の新生産品開発能力の強化を奨励し、製品の技術含有量・付加価値を高め、製品のグレードアップとモデルチェンジを急ぐ。

 研究開発、設計、生産流通、企業管理など各段階における情報化を推進し、先進的な品質管理を普及させ、企業管理のイノベーションを促進する。

 産業技術イノベーションのサービスプラットフォーム構築を推進する。

第4節 企業の合併再編を導く

 市場化運営を堅持し、企業の主体的な役割を発揮させ、関連政策を整え、制度的な障害を取り除き、自動車、鉄鋼、セメント、機械製造、電解アルミ、レアアース、電子情報、医薬などの業種を重点として、優 位性を持つ企業によるウィンウィン提携や複数地域にまたがる合併・再編を推進し、産業の集約度を向上させる。

自主ブランドの確立を推進し、ブランドの価値と効果を高め、国際ブランドと核心的競争力を持つ大手企業の発展に一層力を入れる。

第5節 中小企業発展の促進

 中小企業の発展に力を入れ、関連の政策法規体系を整える。

中小企業の発展パターンの転換を加速させ、品質と信頼の構築を強化し、製品の品質と競争力を高める。

 中小企業の構造調整を推進し、専門的な分業・協力水準を高める。中小企業クラスターの発展を促し、イノベーション能力と管理水準を向上させる。

 良好な環境をつくり、中小企業の発展の活力を刺激する。

 中小企業の金融サービス体制および信用保証体制を構築・健全化し、中小企業の貸付の規模と比率を高め、直接融資のルートを広げ、税収などの特恵政策を実施・整備し、中小企業の社会負担を軽減する。 

表4 製造業発展の重点方向
01 装備製造
設備製造の生産型製造からサービス型製造への転換を推進し、製品のデジタル制御化、生産のエコ化、企業の情報化を推進する。
戦略的新興産業およびインフラなどの重点分野に必要な設備を発展させる。
鋳造、鍛造、溶接、熱処理、表面処理など基礎技術による生産の専業化を推進し、ベアリング、ギア、金型、油圧機器、自動制御など基礎部品の水準を高める。
02 船舶
国際造船の新規格に基づき、ばら積み貨物船、停泊船、コンテナ船の三大主流船型のモデルチェンジを推進する。
船舶組立業、船積み率の水準を高める。
大型の液化天然ガス(LNG)船、大型の液化ガス(LPG)船、遠洋漁船、豪華遊覧船など高い技術を必要とする高付加価値の船舶を重点的に発展させる。
移動式海洋油田掘削プラットフォーム、浮遊式生産システム、海洋工事作業船・補助船および重要な関連設備、システムの自主設計・製造を急ぐ。
03 自動車
メカニズム、製品、産業化のイノベーションシステムを構築する。
動力電池、駆動モーターなどコア部品および動力ブロック管理制御システムのブレークスルーを重点的に実現する。
効率的なディーゼルエンジン、効率的な伝動・駆動装置、材料・構造の軽量化、完成車の最適化、一般的なハイブリッド技術を普及させ、自動車製品の省エネを推進する。
04 鉄鋼
高速鉄道用鋼材、ハイグレード無方向性ケイ素鋼、高磁束配向性珪素鋼、機械用高強度鋼等、重要鋼材を重点的に開発する。
溶鉱炉を使わない製鉄、クリーンな鋼生産、資源の総合利用など技術開発を支援する。
エネルギー管理システム(EMS)、高温高圧のコークス乾式消火設備(CDQ)、余熱総合利用、焼結排煙脱硫(FDG)など省エネ・排出削減技術を重点的に普及させる。
原料基地の建設を急ぐ。
05 非鉄金属
航空、宇宙、電子情報等の領域で必要な重要材料を重点的に開発する。
製錬の最先端技術および短工程・連続技術、省エネ・排出削減技術の普及・応用を後押しし、再生資源の循環利用、低品質鉱、共生鉱、難処理鉱、鉱くず、固形廃棄物資源の総合利用を奨励する。
06 建築材料
太陽光発電ガラス、超薄型ガラス基板、特殊ガラス繊維、特殊セラミック等の新素材を重点的に開発する。
セメント焼成窯を利用した都市ごみの焼却、汚泥生産ライン、建築廃棄物の総合的利用モデルラインの建設を支援する。
グリーン建築の要求と合致した新型建築材料・製品の発展に力を入れる。
07 石油化学
大型煉化一体化基地を建設する。
石炭・電気一体化、二酸化炭素利用、水銀汚染対策事業の試験的取り組みを展開する。
石油製品の品質を国Ⅳ基準に引き上げる。
アルケン原料の多元化率を20%に引き上げる。
高毒性・高残留量の農薬を淘汰する。
08 軽工業
新型電池、農業用新型プラスチック、省エネ・環境にやさしい電球、スマート家電などコア技術の産業化を推進する。重点業界の設備の自主化を加速させる。
林・紙一体化事業の建設を継続的に推進する。
食品高度加工を後押しする。食品安全検査測定におけるキャパシティービルディングを強化する。食品企業の品質・信用体制を健全化する。
09 紡織
ハイテク繊維と次世代機能性・差別化繊維の産業化・応用を推進する。
産業用織物の発展を加速させる。
ハイエンド織機・部品の自主化を推進する。
廃棄織物の循環利用を後押しする。