第十一章　エネルギー生産・利用方式改革の推進

　節約を優先し、国内に基礎を置き、多元的な発展と環境保護を図る方針を堅持する。国際的なウィンウィンの協力を強化し、エネルギー構造を調整・最適化し、安全で安定した経済的でクリーンな現代エネルギー産業システムを構築する。

第1節　エネルギーの多元的でクリーンな発展の推進

　安全で高効率な炭鉱を発展させ、石炭資源の統合と石炭企業の合併・再編を推進し、大型石炭企業グループを発展させる。

石炭由来の天然ガスや液体燃料、石炭利用ポリジェネレーション技術の研究開発モデルケースを秩序立てて展開し、産業化の発展を着実に推進する。

　石油、天然ガス資源の探査・開発を強化し、国内の石油生産量を安定させ、天然ガス生産量の急速な増加を促進し、炭層ガスやシェール（頁岩）ガスなど非在来型天然ガス資源の開発・利用を推進する。

　クリーンで高効率・大容量の石炭燃焼発電設備を発展させ、大・中都市、工業パークのコージェネレーション設備および大型ピット火力発電所、石炭脈石などの総合利用発電所を優先的に発展させる。

　生態系の保護と移民に対する配慮措置を適切に行った上で、水力発電の発展に積極的に取り組み、西南地域の大型水力発電所の建設を重点的に推進し、現地の実情に則した方法で中・小規模河川の水力資源を開発し、ポンプアップ水力発電所の建設を科学的に計画する。

　安全を確保した上で原子力発電を効果良く発展させる。　

　送電網接続に関する事業の建設を強化し、風力発電を効果的に発展させる。

　太陽エネルギー、バイオマスエネルギー、地熱エネルギーなどその他の新エネルギーを積極的に発展させる。

　分散型エネルギーシステムの普及・応用を促進する。

第2節　エネルギー開発の配置の最適化

　全国エネルギー開発の配置および建設の重点を統一して計画し、山西省、オルドス盆地、内モンゴル東部地域、西南地域、新疆ウイグル自治区の5大国家総合エネルギー基地を建設し、東部の沿海地域と中部の一部地域で原子力発電を重点的に発展させる。

　エネルギーを現地での加工・転化水準を引き上げ、第1次エネルギーの大規模・長距離輸送に掛かる負担を軽減する。

　エネルギー備蓄施設を合理的に計画し、石油備蓄体制を整え、天然ガスと石炭の備蓄およびピーク調整の緊急対応におけるキャパシティービルディングを強化する。

第3節　エネルギー輸送ルートの建設強化

　西北、東北、西南、海上輸入の天然ガス戦略パイプラインの建設を加速させ、国内の天然ガス主要パイプラインネットワークを整える。

　天然ガス輸入パイプライン、液化天然ガス受入基地、複数の地域にまたがる中核ガス輸送網とガス供給網の建設を統一して計画・手配し、天然ガス、炭層ガス、石炭ガスがバランスよく発展するガス供給の枠組みを初歩的に構築する。

複数の地域にまたがる大規模な送電と次世代エネルギー発電の送電網への接続という要求に適応し、現代的な送配電網システムの構築を加速させ、中国の東部沿岸地域（広東省、上海市、江蘇省、浙江省、北京市、 天津市、唐山市＜河北省＞地域）の電力不足を解消する「西電東送」事業の規模をさらに拡大し、地域の主要送配電網を整備し、超高圧（UHV）送電など大容量・高効率・長距離の先進的送電技術を発展させ、情報、コントロール、エネルギー貯蔵などに関する先進技術に頼りながらスマートグリッドの構築を推進し、都市部・農村部における送配電網の建設・改造を着実に強化し、送配電網の電力配置最適化能力と電力供給の信頼性を高める。