第六編 緑色発展 資源節約型・環境友好型社会の構築
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第二十四章 環境保護の強化

 飲用水の安全問題や大気、土壌汚染など人体に害を与える環境問題の解決を重点として、総合対策を強化し、環境汚染の状況を明らかに改善する。

第1節 汚染物の排出削減と処理の強化

 主要汚染物の排出の総量抑制を実施する。厳格な飲用水水源地の保護制度を実行し、集中的な飲用水水源の水質基準達成率を向上させる。製紙、捺染(なっせん)、化学工業、製革、大規模な家畜養殖業などにおける汚染対策を強化し、重点流域・区域の汚染対策を今後も進め、重点ダムや湖および河流環境の保護と生態系管理を強化し、複数の区域にまたがる重点河流の環境管理と汚染対策に一層力を入れ、地下水の汚染対策を強化する。火力発電業、製鉄業、非鉄金属業、化学工業、建材業などにおける二酸化硫黄(SO2)と窒素酸化物(NOx)の処理を進め、脱硫脱硝施設の安定稼動を強化し、自動車の排気ガス対策に力を入れる。顆粒物汚染の処理をさらに掘り下げる。悪臭汚染物対策を強化する。健全な地域大気汚染対策連携メカニズムを構築し、地域の複合型大気汚染を抑制する。地級以上の都市で大気質が2級以上の都市の割合を80%に引き上げる。都市の騒音汚染を効果的に抑制する。都市部の生活汚水とごみの処理能力を高め、都市の汚水処理率を85%に、生活ごみの無害化処理率を80%にそれぞれ引き上げる。

第2節 環境リスクの防止

 重金属汚染の総合対策を強化し、湘江流域を重点的に、重金属汚染の整備・修復に向けた試験的取り組みを展開する。有機物、危険廃棄物、危険化学品の持続的な汚染対策を強化し、汚染された場所・土壌・水などの整備・修復に向けた試験的取り組みを実施する。核・放射能に対する監督管理能力を強化し、核・放射能の安全を確保する。懸案事項となっている重大な環境リスクの解消を図る。重大な環境リスク源に対する動態的なモニタリングとリスク早期警報および抑制を強化し、環境と健康リスクに関する評価能力を向上させる。

第3節 環境に対する監督管理の強化

 環境保護に関する法律法規・基準制度を整備し、環境保護に関する技術や経済政策を整備し、環境モニタリング、早期警報、緊急対応における能力強化を進める。環境に関する法執行を強化し、厳格な環境保護基準を施行し、環境影響評価を法に基づいて展開し、産業移転受け入れ先における環境の監督管理を強化する。環境保護の目標責任制を厳しく実施し、総量抑制指標の審査を強化し、重大な環境問題と汚染事故の責任追及制度を整備し、社会監督メカニズムを確立する。

表11 環境整備重点プロジェクト
01 都市生活汚水、ゴミ処理施設建設プロジェクト
 都市生活汚水、汚泥、ゴミ処理施設の建設を加速、汚水収集下水道網、ゴミ収集運搬施設の建設と合理的な配置を同調する。
02 重点流域水質環境整備プロジェクト
 「三河三湖(淮河、遼河、海河)(太湖、滇池、巣湖)」、松花江、三峡ダム区および上流、丹江口ダム区および上流、黄河中上流など重点流域の総合的整備を強化、長江中下流、珠江流域、および生態が脆弱な高原湖の水質汚染の防止を強め、渤海など重点海域の総合整備を推進する。
03 脱硫脱硝酸プロジェクト
 新たに建設される石炭発電ユニットには脱硫・脱硝酸装置を設置する。新たに建設されるセメント生産ラインには効率60%以上の脱硝酸装置を設置、製鋼用焼結炉、石油化学業界に脱硫装置を設置する。 
04 重金属汚染防止プロジェクト
 重点区域、重点業界、および重点企業での重金属汚染防止を強化し、重点企業の汚染物質排出の安定的基準到達を基本的に実現、湘江などの流域、区域の重金属汚染防止整備で明かな成果を得る。