第十編 イノベーション推進 文化の発展と繁栄を推進
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第四十四章 文化事業・文化産業の繁栄・発展

 公益性文化事業と経営性文化産業を両立する方針を継続しながら、社会便益を一貫して最も重要な位置に置き、経済便益と社会便益の有機的な統一を図る。

第1節 文化事業の強力な推進

 公共文化製品およびサービスの供給を強化する。公共博物館、図書館、文化館、

 記念館、美術館など公共文化施設を一般向けに無料開放する。少数民族による文化製品の創作・生産を奨励・支援する。障害者など特殊な層の公共文化サービスに対するニーズを重視し、それに応える。健 全な公共文化サービス体制を構築する。農村の末端部と中西部地域を重点的に、文化によって人々に利益をもたらす「文化恵民事業」の実施を継続する。農村の文化インフラを改善し、「老少辺窮地区」(革命根拠地、少 数民族地区、辺境地区、貧困地区)の建設支援と文化サービス・ネットワークの改造を行う。都市コミュニティーの文化施設を整備し、末端の文化資源の統合・総合利用を促す。大衆的な文化活動を幅広く展開する。重 要なマスメディアの建設を強化し、インターネットなどの新興メディアの建設、運用、管理を重視し、世論の方向性を正しく把握し、伝播力を高める。文化財、歴史文化都市・鎮・村、無形文化遺産・自 然遺産の保護を強化し、文化遺産を伝承・利用する方法を開拓する。言語文字に関する取り組みを法に基づき推進する。国家文化芸術栄誉制度を構築する。

第2節 文化産業の急速な発展

 国民経済の支柱産業として文化産業を推進し、文化産業全体の実力と競争力を高める。重要な文化産業プロジェクトの牽引戦略を実施し、文化産業基地と地域的特色を備えた文化産業群の建設を強化する。文 化産業の構造調整を推し進め、文化クリエイティヴィティ、映像制作、出版発行、印刷複製、エンターテイメント、デジタル・コンテンツ、アニメ漫画など重点的な文化産業を大いに発展させ、中核企業を育成し、中 小企業を支援し、異なる地域・業界・所有制にまたがる文化企業の経営・再編を奨励し、文化産業の規模化、集約化、専門化水準を高める。文化産業の転換・グレードアップを促すとともに、文 化科学技術のイノベーションを推し進め、文化産業の技術基準を策定し、技術設備の水準を高め、伝統産業を改善・向上させ、新興文化産業を育て発展させる。中西部地域の中小都市における映画館の建設を急ぐ。非 公有制経済の文化産業分野へのさまざまな形式による参入を奨励・支援し、公有制を主体に多種の所有制が共同発展する産業の枠組みを徐々に構築する。優 れた民族文化を主体に海外から有益な文化を吸収する対外開放の枠組みを構築し、国際文化市場を積極的に開拓し、文化「走出去」(海外進出)モデルを創新し、中華文化の国際的な競争力と影響力を強化し、国 のソフトパワーを高める。

表21 文化事業の重点プロジェクト
01 公共文化サービス体制構築プロジェクト ラジオ・テレビ放送が全ての村をカバーする「広播電視村村通」プロジェクト、農家書斎プロジェクト、文化資源共有プロジェクト、「西新工程( チベットや新疆など辺境少数民族地区におけるラジオ・テレビの普及を目指すプロジェクト)」、農村デジタル映画放映プロジェクト、辺境少数民族地区に党の新聞や出版物を無料提供する「東風工程」の 建設を今後も推進する。地市級の公共図書館、文化館、博物館を計画・建設する。
02 文化と自然遺産の保護事業 国家重点文化および自然遺産地域、全国重点文化財保護機関、中国歴史文化都市・鎮・村における保護施設の建設を重点的に支援し、無形文化遺産の保護・利用施設の建設に向けた試験的取り組みを進める。歴 史文書と文化典籍の保護整理作業を着実に行う。
03 伝達体制構築事業 メディアの報道力、民族文字出版、民族言語普及、文化伝達ルート、国家緊急報道体制の構築を強化する。
04 重大文化施設の建設 国家美術館、中国工芸美術館など国の文化的イメージを代表する重点施設の建設を推進する。
05 紅色観光の重点名所づくり 「紅色旅游」(中国共産党ゆかりの地を訪ねる観光)第2期計画を実施し、全国紅色旅游の名所地の関連インフラを整え、陳列展示水準を高める。