ナノテクノロジー・材料分野(国際比較)
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Ⅴ. エネルギー・環境

中国は、部分的にではあるが日本や欧米の持つ科学的知識を参考にし、最新技術を積極的に導入することで、急速に力をつけながら追い上げ始めている。

 この分野では日本が強く、研究水準から産業技術力まで欧米と比しても有意の差がある。米国と欧州は互角であり、韓国と中国は欧米と比してもかなりの差がある。

 

  • 太陽電池の産業技術力に関して、中国の企業は欧米や日本のフルターンキーによる生産が中心であるが、資金力では日本をしのぐケースもある。生産量も日本企業に比肩する勢いである。
     
  • 中国においてはバイオエタノールの生産量が着実に増大しており、産業技術力を徐々に付けつつある。
     
  • 国内に熱電変換素子の製造業を抱えており、材料開発の研究水準が高く、今後益々存在感が大きくなると思われる。特に、ペルチェ素子の製造会社が国内に多数存在し、強 い産業技術力を背景に世界市場で活躍している。技術開発力も強い。
     
  • 超伝導材料の研究水準の向上が著しい。新物質開発のポテンシャルが高いが、先駆的な研究例はまだ少ない。
     
  • 膜分離技術では、大学の膜研究がそのまま技術開発に進み、更に生産会社へと発展する例がみられる。技術レベルはそれ程でもない場合が多いが、極めてスピーディであり脅威である。
     
  • 環境調和・リサイクル技術については、清華大学等一部の研究機関では環境関連要素研究が活発に行われているが、有力な国内学術誌を持っていないため研究トレンド情報が掴みにくい。