Ⅰ. 先端計測技術分野全般

現時点における中国の先端計測技術の技術力は強くないが、海外で活躍している中国人研究者の帰国などによって、今後研究開発水準が向上すると思われる

　本分野全体では米国が産業技術力を中心にリードしている。欧州は研究水準や技術開発力で米国を凌駕しているが、産業技術力で米国より遅れている。日本は米欧と比して技術力が弱い。韓国と中国は日米欧と距離がある。

　製造業の拡大が著しい中国製品の質の向上には計測・分析が必須であり、素材産業等に汎用されるＸ線回折装置等の国産化が進行している。

　近接プローブ、先端ビーム技術、バイオ計測機器は、この２０年間で急速に発展した分野であり、中国での国内生産が少なく性能も不十分であると判断されるが、海外の第一線にいる中国人研究者は多い。& lt; /p>

　放射光や中性子線の大型研究施設も建設中であり、表面に出ない軍事技術に関連するセンサを含め、今後の発展が期待される。

　計測は科学技術定量化の基盤であり、産業製品の差別化をもたらす原動力である。国外で優れた成果をあげた中国人研究者がベンチャーを起業したり、本国に貫流する傾向はますます顕著になると考えられ、この分野での中国の今後の競争力に十分注目する必要がある。