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【20-023】《新型コロナウイルス》浙大一院の対策ハンドブック、アリババグループの研究支援など

JST北京事務所 2020年4月14日

1.浙江大学医学院付属第一病院の対策ハンドブック日本語版

 浙江大学医学院付属第一病院(浙大一院)の治療経験に基づいてまとめられた、新型コロナウイルス感染症患者対策ハンドブックの日本語訳が公開された。下記URLでアクセスできる。

新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック:浙江大学医学院付属第一病院の臨床経験

 これは、同病院が、約50日間で、104名の確定診断された患者(うち重症。危篤患者は78名)の治療にあたった実績(医療スタッフ感染ゼロ、感染患者の診断見落としゼロ、危篤患者死亡ゼロ)に基づき、まとめたものだ。

 これまで、このコーナーで、中国国家衛生健康委員会の診療マニュアルを紹介してきた。このマニュアルは、浙江大学医学院付属第一病院の対策ハンドブック日本語訳では、「中国新型コロナウイルス肺炎診療案」と訳されているものであり、両者は基本的に整合性が取れているものである。

 この日本語訳は、中国の大手IT企業であるアリババとその創始者馬雲(ジャック・マー)の名を冠した二つの慈善団体、馬雲公益基金会とアリババ公益基金会が発行したものであり、下記から各国語版をダウンロードできる。

Alibaba Cloud, Guidebook of COVID-19 Outbreak Hospital Response Strategy

2.アリババグループの計算資源・AI技術の無料使用

 また、上述のAlibaba CloudのHPでは、世界の公的研究機関が新型コロナウイルス対策のための活動にアリババグループの計算資源やAI技術を無償で利用できるサービスも英文で紹介されている。

 3ヶ月有効のクーポンで利用できる方法で、ウイルスのシーケンスや薬品・ワクチン開発、肺炎のCT画像診断、感染予測に使用可能。シーケンスは、20サンプル平行で14.5時間(うちシーケンス時間11時間、データ分析0.5時間)で検査できる(シーケンスは、第三者パートナーが行うようだが、国際協力の場合のシーケンス場所については言及されていない。)。CT画像診断は、96%の正確さで3~4秒で診断可能。中国内では160以上の機関が使用しており、これまで24万枚(一日平均1万3千枚)を診断。