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【24-07】「中国トップ500社」から見る中国企業のイノベーション創出

JST北京事務所 2024年09月25日

 中国企業連合会と中国企業家協会は、2023年度の企業売り上げを基準にした「2024中国トップ500社」(以下、「トップ500社」)を選出した。同トップ500社の選出では、企業のランキングよりも、中国の大企業の経営データを分析することで成長の特徴とトレンドを捉えることを重視しているという。選出結果に反映されている中国の大企業のイノベーション創出活動などについて、中国政府網が経済日報の報道に基づき発表しており、これを以下にまとめる。

企業の研究開発活動について

 トップ500社が2023年度に投じた研究開発費は総額18,137億元(約36.2兆円、1元=20円で概算)に達し、前年より14.9%増えた。研究開発費の対売上比は0.05ポイント増の1.9%で、2002年以降で最も高くなった。また、研究開発費の対売上比は7年連続で増加した。

 2024年現在、トップ500社が所有する各種の有効特許[注]は202.97万件に上り、前年より7.7%増えた。うち、発明特許は19.7%増の88.96万件だった。また、特許全体に占める発明特許の比率は前年比4.4ポイント増の43.8%で、2年連続の下降から再び上昇に戻った。

 2023年、トップ500社が標準制定に関与した件数は75,252万件で前年を142件上回った。うち、国際標準制定への関与は5,267件で、前年比275件増加した。業界別では、通信設備製造業、工業機器・設備製造業、土木工事建築業が標準制定関与の上位を占め、国際標準制定では、通信設備製造業、電信サービス業、グリッド業がトップ3となった。

トップ500社の構成について

 トップ500社の構成では、新エネルギー設備製造、動力・蓄電池、通信設備・計算機製造、半導体・パネル製造などの関係企業が31社選出され、5年前より18社増えた。インターネット・ITサービスや金融、物流・サプライチェーンサービスなど現代サービス業関連企業の選出数は162社となり、5年前より28社増加した。

 上述した先進製造業と現代サービス業企業の増加から、トップ500社が所属する業界の構造が持続的に改善され、経済発展の推進力が絶えず転換されていることがわかる。

企業の経営について

 トップ500社の2023年の売り上げはトータルで110兆元に達し、前年比1.6%増加した。利益はトータルで前年比5%増の4.5兆元で、前年の減少から成長に転じた。

 企業の規模成長は減速しているようだが、経済的収益は改善の勢いを示している。そして、イノベーション駆動による企業の発展という特徴が目立ち、産業構造の最適化も持続的に推進されている。

中国企業の世界トップ500社選出について

 2024世界トップ500社では、中国本土から125社がランクインし、うち、自動車および部品、インターネット関連企業が順位を大きく上げた。

 所属する業界において売り上げが1~3位となった中国本土企業は、1位が14社、2位が13社、3位が15社だった。利益は1位が5社、2位が10社、3位が11社となった。


注:中国で「特許」という場合、一般的な特許に相当する「発明」のほか、「実用新案」と「意匠」も含まれることが多い。

関連リンク

中国政府网「2024中国企业500强榜单发布-规模稳步增长 发展质量提升

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