米週刊誌タイムの電子版で8日、2009年医学10大ニュースが発表され、5位に中国の研究者による人工誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を使ってマウスを育てる研究が選ばれた。これは中国科学院動物研究所の周琪研究員と上海交通大学医学院の曾凡一研究員が率いる研究チームが行った研究で、iPS細胞を利用して繁殖能力のあるマウスを育成し、世界で初めてiPS細胞が胚性幹細胞と似た多能性をもつことを証明した。この研究成果によってiPS細胞が胚性幹細胞と同じように様々な病気を治療に活用できる可能性があることがわかった。この重大な成果は今年7月に英学術誌ネイチャーの電子版で発表された。科学時報が14日伝えた。
発表されるやいなや国内外で大きな反響を呼び、ネイチャー、米誌サイエンス、サイエンティフィック・アメリカン、ABCニュースなどで論評された。豪肝細胞センターのAndrew Laslett教授は、この成果は科学界で初めてiPS細胞系に真の多能性があることをはっきりと証明したと指摘。ネイチャーでは、中国の研究者が成年哺乳動物のクローンに全く新しい道を開いたとし、この方法は従来のクローン技術よりも高効率でより安全性が高いと評価した。中国科技部は、この研究はiPS技術の、肝細胞や発育生物学、再生医学などの分野への応用をさらに研究する上で技術的なプラットフォームを提供するほか、IPS細胞研究を新しいレベルに推し上げ、中国がこの国際的に注目を集める研究分野で重要な貢献を果たすことにもつながると言及した。