2012年03月05日-03月09日
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中国 安全な原発発展に向け、確固とした決意

2012年03月08日

 福島原発の事故の影響がまだ残る中、エネルギー消費大国である中国はこのほど初めて「安全かつ効率的な原発の発展」を政府活動報告に組み込んだ。両会の代表・委員らは「失敗や挫折を怖れて原発の発展を放棄するわけにはいかない。核安全法の制定は一刻の猶予もならない」との見方を示す。新華網が6日に報じた。

 国務院の温家宝総理は5日、政府活動報告の中で「エネルギー構造を最適化し、従来エネルギーのクリーンかつ効率的な利用を推進し、安全かつ効率よく原発を発展させなければならない」と提起した。

 中国科学院上海分院の朱志遠副院長(全人代代表)は「原発について政府活動報告の中で提起されたことは、1つのシグナルだ。中国政府は通常の原発事業を再開し、原発を発展させていくという確固とした決意を示した」と述べた。

 中国核動力研究設計院の楊岐名誉院長(全国政協常務委員)は4日、常務委員会活動報告と提案活動状況報告のグループ審議において、「中国は今後、原発の安全な発展を確保していく」と語り、原発の安全に対し自信を示した。

 同氏は「中国で稼働中の原発は第2世代改良型技術を採用したものであり、フランスM310型加圧水型原子炉の技術をベースとし、消化・吸収と大量の技術改良を経て発展したものだ。重大事故の予防と緩和の面では特に厳しい対応措置を講じており、この点では世界で稼働中の約80基のM310ユニットを上回る。このほか、中国の原発が建設された場所は大きな津波に見舞われる条件を備えていない。このため、稼働中・建設中の原発は設計的にも地理的にも安全が十分に保障されている」と述べた。

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