南水北調(中国南部の水資源を北部に供給するプロジェクト)中央ルートの黄河横断トンネル(川上線)で、充水水位が設計上の条件を満たした。これは黄河横断トンネル建設工事の充水試験の成功を意味し、中央ルート幹線プロジェクトの重要な節目となる。中央ルート幹線の全線が通水条件を満たし、今年の増水期後の通水実現に向け堅固な基礎を築いた。人民日報が伝えた。
黄河横断トンネルは南水北調のうち規模が最大で、工期が最長で、技術水準が最高の、施行条件が最も複雑な交差型建築物だ。黄河横断プロジェクトは2005年9月27日に着工し、9年の工期を経た。建設現場は河南省鄭州市から西に約30キロ離れた所にあり、全長19.3キロに達する。そのうちトンネルの全長は4.25キロで、二本のトンネルが掘られている。一本の通水直径は7メートル、深さは最も浅い所で地下23メートルで、泥水バランス式シールド機が使用された。設計上の通水量は毎秒265立法メートルで、拡大後の通水量は320立法メートル。
今回の通水試験は、トンネルの安全性能を確認し、プロジェクト稼働前の安全性を評価し、順調な稼働を保証することを目的とした。通水試験期間、黄河横断プロジェクト川上・川下線トンネルは高い性能を示し、設計上の条件を満たした。
国務院南水北調プロジェクト建設委員会弁公室は7月末時点で、南水北調東・中央ルート一期プロジェクトに2525億元(約4兆3900億円)投資した。プロジェクト建設への投資は2491億元(約4兆3300億円)に達し、建設工事の投資総額の98%を占めた。中央ルートのうち先に通水を実現した京石区間(北京―石家荘)は、これまで北京市に16億1000万立法メートルの水資源を4回に渡り緊急供給している。