中国四川臥竜国家級自然保護区管理局は、2019年に初めて白いジャイアントパンダの画像を公開した。その後も複数回にわたり、白いパンダが活動する様子を撮影した動画を公開し、社会の注目を集めた。同管理局は「世界で唯一」の白いパンダのために特別チームを結成し、4年間に及ぶ追跡調査を行ってきた。新華社が伝えた。
性別は雄なのか、それとも雌なのか。その生活環境は他のパンダと異なるのか。同管理局シニアエンジニアの譚迎春氏によると、赤外線カメラが撮影した映像資料から、早い段階で尾部に雄の生殖器があることは確認できたという。「しかし、遺伝子変異の可能性もあるため、野外で撮影された鮮明でない映像を証拠として性別を断定することはできない。より多くの明確な生物学的情報を取得するには遺伝子検査が必要で、そのためには、糞便や他の生物学的標本を採取しなければならなかった」と説明した。
譚氏は「リアルタイム伝送の赤外線カメラを使い、白いパンダが頻繁に活動するエリアを重点的にモニタリングした。そしてカメラが白いパンダを捉えた後、直ちに人員を山に派遣し、映像が示す方角を頼りに、その新鮮な糞便を採取した。関連検査機関に速やかに送り、ゲノムシーケンシング技術によりDNA鑑定した結果、最終的な結論は雄だった」と述べた。
カメラの映像には、この白いパンダが生活する様子が数多く収められていた。同管理局シニアエンジニアの劉明衝氏によると、このパンダは臥竜保護区の高山と密林の中で頻繁に活動していた。これらの地域は気候が温暖で湿度も高く、植生が良好で竹林が繁っている。また、細長い樹洞の周辺では、白いパンダと別のパンダの母子が一緒に写った画像もあった。
劉氏は「子連れの雌は通常、大人のパンダが近づくと強い攻撃性を示す。写っていた雌のパンダは、白いパンダと長い間、仲睦まじく過ごしていることから、白いパンダの母親の可能性が極めて高いと判断している。これは白いパンダが雄であるという結論とも矛盾しない」と説明した。劉氏によると、単独で生息する動物の大半は近親の繁殖を回避するため、雄が母の元を離れるが、パンダは雌が母の元を離れる。また、雄と母の生活範囲は通常、一部重複するという。
調査研究に参加した北京大学生命科学学院の李晟研究員によると、カメラにはこの白いパンダが他のパンダが交流する様子も撮影されているという。これは、白いパンダが同じエリアで暮らす他のパンダと良好な関係を構築し、順調に生活していることを示している。