2023年11月06日-11月10日
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中国電科院が制定を主導した仮想発電所国際標準が発表

2023年11月06日

 中国電力科学研究院有限公司(中国電科院)は10月29日、同社が制定を主導した国際標準「IEC TS 63189-1:2023仮想発電所-第1部:枠組みと機能の要求」がこのほど、国際電気標準会議(IEC)によって発表されたと明らかにした。同標準はIECが発表した初の仮想発電所国際標準で、同分野における国際標準の空白を埋めた。科技日報が伝えた。

 仮想発電所は「再生可能エネルギー・電力網・負荷」を集積・最適化したクリーン発展の新世代スマート制御技術と、双方向ビジネスモデルを統合したもの。従来の電力網の物理的枠組みにおいて、インターネットと現代情報通信技術を利用し、電力網に分散している各種リソースを集積し、運営制御・市場取引の最適化を連携して行うことで、電源側の複数のエネルギーの相互補完、負荷側の柔軟なインタラクションを実現し、電力網にピークシフト、周波数調整、電力バックアップなどの補助サービスを提供する。これはエネルギー生産・消費の革命に対応する世界の主流傾向であり、新型電力システムを構築する有力な手段でもあり、クリーンエネルギーの利用やエネルギーの低炭素トランスフォーメーションに対し、将来を見据えたソリューションを提供している。

 同標準では初めて、仮想発電所の用語や定義の統一、技術要求や制御の枠組みを打ち出し、仮想発電所の発電出力予測や負荷予測、発電・電力消費計画、負荷管理、エネルギー貯蔵設備の制御・管理、分布型電源の調整・最適化、通信、データ収集などの面で機能的要求を明確にした。世界各国の仮想発電所の計画、設計、建設、検収に重要な技術面での参考を提供し、仮想発電所の推進・応用及び持続可能な開発において、基礎的な役割を果たすことになる。

科学技術 「発電せずに管理する」仮想発電所
 
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