中国北京市で開かれている両会(人民代表大会・政治協商会議)で、人民代表大会代表を務める房山区党委員会の鄒勁松書記が「ジャイアントパンダ国家保護研究センター北京基地の完成を楽しみにしている。第1期の建設が本格的に始まっており、年内の完成を目指している。パンダには1日も早く房山に来てほしい」と語った。北京日報が報じた。
発表によると、同プロジェクトの第1期は、房山区青竜湖森林公園内で建設される。野生個体群の増加を促し、パンダの保護・管理水準を高め、世界トップレベルのジャイアントパンダ学術研究拠点と文化展示施設、一般向け教育プラットフォームを構築する。
房山区に保護基地の設置が決まった理由について、周口店遺跡博物館の董翠平館長は「1934年に先史考古学学者で古生物学学者であった裴文中氏が、周口店第1地点で、パンダの上腕骨遠位部を発見した。その後、研究者が2006年に河南省許昌市の霊井遺跡で鑑定したパンダの歯の化石が、周口店で活動していたことを証明するものとなった。霊井遺跡は北緯34度付近に位置し、周口店遺跡は北緯約40度に位置する。その差はわずか6度だ。専門家は、間氷期に比較的温暖な時期があり、華北平原中部で活動していたパンダが、平原北部の北京原人が活動していた周口店一帯に移動した可能性があると見ている。現在、パンダの活動範囲は主に四川省、陝西省、甘粛省の南部などに集中しているが、大昔、その範囲は今よりもかなり広かった可能性がある」と説明した。
中国の国宝であるジャイアントパンダが、冬の寒さが厳しい北京に来ても大丈夫なのだろうか? 実は、パンダは多くの人が考えているほど「軟弱」ではない。
その習性を見ると、パンダは「暑がり」ではあるものの、「寒さ」には強い。全身は分厚い体毛で覆われており、氷点下10~20度の寒さにも耐えることができる。夏よりも冬のほうが活動的で、他のパンダとじゃれ合ったり、遊んだりするのが好きだ。研究では200万~300万年前の第四紀氷河時代に、地球の気候が寒冷化したことが分かっている。その時代を生き抜くために、ジャイアントパンダの体型や習性が変わり、主に竹を食べるようになった。そして、進化を通して「長い冬」を生き抜き、勝利者となったのだ。