中国科学院の魏輔文院士(アカデミー会員)のチームは5日、「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で、茶色の秦嶺ジャイアントパンダに関する研究成果を発表した。研究では、世界でも珍しい茶色パンダの毛色の変異が「Bace2」遺伝子の欠失による突然変異で、メラノソームの数とサイズが減少して黒い毛が茶色になることを初めて解明した。
研究成果はまた、茶色秦嶺パンダ「七仔(チーザイ)」の子供の毛色がいずれも白と黒で、茶色を継承していないことを明らかにした。1985年、陝西仏坪自然保護区で、1頭のメスの茶色パンダ「丹丹」が初めて発見され、保護された。2009年、同保護区でオスの茶色パンダ「七仔」が発見された。その後保護され、陝西楼観台希少野生動物緊急救助飼育センターに移され、現在は飼育環境で暮らしている。
これまで実物または写真で確認された茶色パンダは7例しかなく、いずれも秦嶺山系個体群で発見された。
茶色パンダの「七仔(チーザイ)」(資料写真)