中国の首都医科大学宣武医院と清華大学のチームは今年1月、低侵襲ワイヤレスブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の臨床試験に成功し、四肢麻痺患者の動作において進展を遂げた。このように中国では近年、BMI技術の発展が加速している。人民日報が伝えた。
右手に空気圧グローブをはめてコップを握り、それを持ち上げて水を飲む。BMIを活用することで、患者はこの一連の動作が自分できるようになった。
脳波によって動作を制御し、微小電流が脳細胞とコンピューターの「交流」を実現する......。BMI技術の発展と応用により、これらの動きが徐々に現実化している。BMIは次世代マンマシンインタラクションおよびマンマシンハイブリッドインテリジェンスの先端技術で、医療・ヘルスケア分野は最も主要な応用分野だ。
北京脳科学・類脳研究所の羅敏敏共同所長は「高位麻痺患者の言語解析と運動解析を行うことにより、てんかんやうつなどの疾患を治療する。さらに、画像処理電気信号により視覚皮質を刺激し、視覚障害者の視覚をある程度回復させる。これらは将来的に期待されるBMIの応用シーンだ」と述べた。
中国はBMI技術の発展を非常に重視している。第14次五カ年計画(2021-25年)綱要は「脳型知能などの先端科学技術・産業変革分野において、未来産業インキュベーション・加速計画を主導・実行し、複数の未来産業を計画・展開する」としている。中国のBMIイノベーションエコシステムは近年、持続的に改善されており、技術のイテレーションが続き、製品サービスの供給が豊富になり、大規模な発展へと向かっている。
天津大学神経工学チームは中国で最も早くBMI研究に取り組んだチームの一つだ。同大学の明東副校長は「『神工』シリーズ製品は能動的リハビリの皮質、筋肉活動の同時統合と連携を実現し、運動リハビリ分野のブレイクスルーを果たした。例えば、神経制御型パワードスーツ『神工-神甲』のコア部品は国家医療機器登録証を取得し、その重要技術は中国の複数の三甲病院(中国で最高レベルの病院)で1000回以上の臨床試験を実施した」と説明した。
明氏は「中国のBMIはソフトウェア、重要アルゴリズム、典型応用などの面でいずれも一定の独創的なブレイクスルーを果たした。しかし、BMIのより広範な応用には、さらなる模索とイノベーションの継続が必要で、実践によって効果を検証する必要がある」と語った。
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