2024年05月27日-05月31日
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広東省の特産品に活用される科学技術の力

2024年05月30日

 中国広東省広州市では5月に入り、早生のライチが枝にぶら下がっている姿が見られるようになった。その一方で、市内では昨年6月に低温保存された「凍眠ライチ」が販売されている。その色や香り、味は生鮮のライチと遜色ないという。新華社が伝えた。

 広東省農業科学院蚕業・農産品加工研究所の徐玉娟所長は「われわれのライチ鮮度保持加工研究チームは、ライチ超低温凍眠鮮度保持技術で新たな進展を得た。約10カ月保存したライチの風味を生鮮ライチの8~9割ほど保ち、ライチの通年販売を実現した」と説明した。

 広州市増城区は「絲苗米の里」だ。同区の絲苗米現代農業産業パークでは稲穂が整然と並び、すくすくと育っていた。卿潔氏は田んぼを忙しく歩き回り、ドローンを操縦して田んぼに農薬を散布していた。

 卿氏は「農家はかつて重いバケツと噴霧器を担いで、田んぼに入って農薬を散布する必要があった。これは苦しい作業であるとともに、農薬の無駄遣いにもなった。今は専門的な操縦士が1~2日で約66.7ヘクタールの農薬散布を均等かつ効率的に行うことができる」と語った。

 北大荒農服集団華南エリアセンターの田海浜サブゼネラルマネージャーは「増城区は今年春の農作業シーズンに333.3ヘクタール以上の田んぼでスマートアシスト運転や側条施肥など複数の技術を総合的に駆使し、稲の栽培効率を高めつつ、肥料を10~20%節約した。1ムー(約6.7アール)当たりのコストを100元(1元=約22円)以上削減した」と述べた。

 農業農村部門の統計によると、広東省では今年の春季播種農作業面積は約202万ヘクタールで、農業科学技術の貢献度は70%以上だった。

 嶺南の大地で、科学技術はさらに多くの特色ある農産物に新たな力を注いでいる。「コバンアジの都」と呼ばれる湛江市では、スマート化・現代化の海洋牧場養殖設備が深海に進出している。「青梅の里」と呼ばれる普寧市では、大規模AIモデルが農業のトランスフォーメーション・高度化を推進している。

 
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