2024年06月10日-06月14日
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中国の水素燃料トラック、長距離輸送の急成長の段階に

2024年06月14日

 中国河南省鄭州市経済技術開発区管理委員会によると、宇通集団の水素燃料大型トラック2台が北京市大興区から上海市青浦区までの1500キロに及ぶ京滬(北京・上海)水素エネルギー回廊を走破した。これは中国の水素燃料トラックが長距離輸送の急成長段階に入ったことを示している。科技日報が伝えた。

 中国はここ数年、「『第14次五カ年計画(2021-25年)』エネルギー分野科学技術イノベーション計画」や「水素エネルギー産業中長期発展計画(2021-35年)」「2024年エネルギー活動指導意見」などの関連文書を相次いで制定し、水素エネルギー産業の新たな質的転換を推進している。

 南方科技大学クリーンエネルギー研究院院長を務める国際水素エネルギー協会理事の劉科氏は「水素エネルギー車はエネルギー補給が迅速で、航続距離が長く、長距離の重量物積載の面で優位性がある。しかし長年にわたり、水素ステーション網が整備されておらず、水素コストが高いなどの要素に制限され、水素エネルギーの交通における応用は特定の省(自治区・直轄市)またはエリアに限定されていた」と語った。

 京滬水素エネルギー回廊を模索する最初の車両として、テストに参加した宇通49トン水素燃料大型トラックは、180キロワット(kW)の燃料電池システムを搭載し、航続距離は600キロに達する。また、高速水素充填、長い航続距離、長寿命、低水素消費量、高い安全性、完全な適応性といった顕著な優位性を持ち、長距離幹線輸送シーンにおける厳しい要件を全面的に満たしている。

 今回のテスト車は北京・天津・河北・山東・江蘇・上海の6省・直轄市を走り、途中7カ所の水素ステーションで充填を行った。広範囲、長距離、地域間の移動テストに成功し、水素エネルギー発展の新たなマイルストーンを築いた。

 中国の水素燃料電池車はここ数年、良好な発展傾向を維持している。劉氏は「中国自動車工業協会が発表したデータによると、中国の2023年の水素燃料電池車の販売台数は前年比72%増の5805台だった」と述べた。

 
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