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ビッグデータでミニトマトを管理するスマート農業

2024年06月25日

 中国新疆ウイグル自治区にあるコクダラ(可克達拉)市潤泰農業科技開発有限公司のスマート温室に入ると、みずみずしい香りが漂い、丸くてふっくらしたミニトマトが実っていた。人民網が伝えた。

 同社の湯躍執行取締役は「四季を通じて春のようなハウス内では、至る所にハイテクが存在している。ここのトマトはすべて水耕栽培で、温室には各種センサーが設置されている。日照時間が長く昼夜の温度差が大きい新疆地区の地理的優位性を効率的に利用し、デジタル生産技術により、真っ赤で甘味と酸味のバランスがちょうどいいミニトマトが栽培されている」と述べた。

 通年生産が可能なこのスマート農業パークは著名企業の投資を呼び込み、世界最先端のアグリテックを受け入れ、協力関係を深めている。

 湯氏は「オランダの第3世代スマートアグリテックを採用している。従来の畑での栽培と比べると、パークの栽培方法の方が明らかな優位性を持つ。年間生産量は5~6倍増加し、灌漑の水使用量は従来の20分の1しかなく、より環境にやさしい」と強調した。

 このような環境はどうしてできたのか。潤泰スマート農業パークの技術責任者である蘇小竜氏は「まず、温室の温度センサー、湿度センサー、二酸化炭素センサー、圧力センサーなどのIoT(モノのインターネット)感知技術を利用し、1日当たり2000万件以上のデータをリアルタイムで収集している。技術者はデータ分析により、コンピューターで環境パラメータの修正を行う。温室の天窓やカーテン、ECファン、高圧噴霧、硫黄くん煙器などはコンピューターからの指令により自動運転し、温室の環境を調整する。これはまるで温室がスマートブレーンを持ち、毎日最適な管理提案を行い、温室管理者の農業操作を指導しているようだ」と説明した。

 さらに「温室の生産は水・肥料一体化灌漑を採用し、天候と植物の成長状況に基づき精密灌漑を行っている。肥料と水のサンプルを定期的に検査し、その結果に基づいて栄養液の成分を調節し、トマトが最良の環境と栄養条件で成長するための量と質を確保している」と続けた。

 足元に土がなく、手で肥料を触れることのない、インターネットとクラウドコンピューティングプラットフォームで構築されたスマート農業は非常に先進的だ。蘇氏は「パークの農業生産は全プロセスでデジタル管理を実現した。以前より生産性が上がり、コストを40%以上節約した」と述べた。

 
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