2024年06月24日-06月28日
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デジタル技術で南宋時代の衣装を復元

2024年06月28日

 中国浙江省台州市黄岩博物館でこのほど、南宋時代の衣装がデジタル技術で復元された。中国新聞網が伝えた。

 南宋時代の趙伯澐のデジタルヒューマンが「交領蓮花紋亮地紗袍」を着て、やや前かがみのポーズをしたリアルな姿を披露した。これは浙江省現代紡績技術イノベーションセンターのデジタルファッションチームが仮想現実(VR)技術で復元した衣装の一つだ。

 同チームの中心メンバーで、浙江理工大学国際ファッション技術学院教員の銭狄青氏は「今回の衣装の復元は歴史の記録であり、文化の伝承だ。服飾文化財のデジタル化復元は織物の模様の復元と、衣装の型紙の復元に分けることができる」と説明した。

 服飾文化財の場合、保存の特殊性により、チームはこうした文化財を近距離から観察・撮影することができず、黄岩博物館から提供される文化財の一部の写真しか参考材料がなかった。チームはこれまでデジタルメディア技術と3次元画像技術を採用し、趙伯澐の墓から出土した衣装の紋様、織物の構造、衣装の様式、着用状態のデジタル化復元を行った。

 チームの技術者はその後、衣装の織物の構造を観察することで、3D技術により衣装の物理的属性を復元し、絹織物の軽く柔らかで薄く透けるという特徴を際立たせた。銭氏は「柔軟性再現技術を利用して復元したデジタル衣装は実際の生地のように体と共に動くリアルさを再現している。われわれは最終的にこのデジタル衣装を原寸大で復元した」と語った。

 
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