考古学の新技術で兵馬俑が本来の色に
2024年07月05日
近年、科学技術イノベーションが考古学の活動を活性化している。色落ちに悩まされてきた秦始皇陵の兵馬俑も、こうした技術による新たな保存方法の活用が進んでいる。人民日報が伝えた。
2000年以上にわたって地下深くに埋まっていた秦始皇陵の兵馬俑は、出土した時は元の色彩を留めているが、色付きの兵馬俑は温度や湿度などの急激な環境変化の影響を受けやすく、すぐに色褪せや色落ちが生じてしまう。
兵馬俑の色を留めるために重要なのは、文化財の発掘、輸送、修復、保管などの過程における環境の影響を最大限減らすことだ。
中国電科集団の電科チッププロジェクトは、発掘キャビンと実験キャビンを含むスマートシステムを開発した。責任者は「われわれが秦始皇陵の兵馬俑2号坑のために設計・構築した考古学発掘・緊急保護システムは、兵馬俑で発掘してから倉庫に収められるまでの全プロセスでクローズドループ保護ができ、元の色を最大限に留めることができる」と説明した。
発掘キャビンは兵馬俑の甬道の中を移動でき、分解や組立を行うことで複数回使用できる。色付きの兵馬俑は出土後、考古学専門家が直接現場で簡単な修復保護を行い、キャビンに移動させることで、色褪せや色落ちなどの損傷を避けるようになっている。
専門家は「このシステムはさらに環境制御モジュール、照明モジュール、科学機器搭載プラットフォームなどを含んでおり、文化財の発掘、保護、情報収集、輸送などの機能を持つ。これらの画期的な技術により、発掘した文化財を安全的で効果的にキャビン内に移動させて輸送でき、文化財発掘・緊急保護の作業フローを改善・最適化している」と述べた。
北京の首都博物館で展示された顔部分が緑色の跪射俑（2021年5月18日撮影）。
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