中国内モンゴル自治区四子王旗の四子王旗杜爾伯特化学工業パークでこのほど、風力・太陽光・エネルギー貯蔵・水素・アンモニア一体化モデルプロジェクトとグリーンアンモニア合成プロジェクトが始動した。中国新聞網が伝えた。
四子王旗はウランチャブ市北西部に位置し、年間日照時間が3000時間を超え、強風の日が多い。豊富な風力・太陽光発電資源を利用した新エネルギーの計画設備容量は1300万キロワット(kW)となっており、同市全体の54%を占める。
同プロジェクトは四子王旗の風力・太陽光資源の優位性を生かし、発電・消費・エネルギー貯蔵・応用を一体化した新エネルギー産業システムを構築する。プロジェクトは風力・太陽光・水素製造一体化とグリーンアンモニア合成の2つに分けて実施される。投資総額は189億元(1元=約22円)。
風力・太陽光・水素製造一体化プロジェクトは125万kWの風力発電と115万kWの太陽光発電を建設し、極低温技術により空気を分離して窒素を製造し、アンモニア合成に必要な窒素の量とその純度の要求を満たす。グリーンアンモニア合成プロジェクトの投資額は18億元で、3期に分けて建設。先進的なアンモニア合成技術を採用し、川上の風力発電所で発電されるグリーン電力をエネルギーとして、水電解水素製造装置で水素を、空気分離装置で窒素を製造し、水素と窒素をグリーンアンモニアに合成する。年間生産能力は50万トン。
プロジェクトの完成後、年間グリーン電力発電量は約63億キロワット時(kWh)となり、標準炭使用量133万9000トン、二酸化炭素排出量632万7800トンを削減する。年間生産量はグリーン水素が9万トン、グリーンアンモニアが50万トンをそれぞれ見込んでいる。