中国国家エネルギー局科学技術司はこのほど、「中国水素エネルギー発展報告（2023）」を発表した。同報告は中国内外の技術と産業発展に焦点を当て、2023年の水素エネルギー産業発展の現状を体系的に整理した上で、中国の2024年の水素エネルギー産業発展を展望している。科技日報が伝えた。
同報告は、23年の中国の水素エネルギー産業は安定を保ちつつ成長を進め、イノベーション主導型の発展を堅持し、水素エネルギーイノベーション体制の建設を加速させ、産業発展の基礎的な制度体制を持続的に改善し、クリーン・低炭素かつ安全で効率的なエネルギー体制の構築に積極的な貢献を行ったと説明。世界の水素エネルギー発展では、水素エネルギー産業発展戦略が持続的に更新されており、水素エネルギーの生産量が増加傾向を維持し、水素エネルギー国際貿易が加速し、国際的な水素エネルギー価格が持続的に低下し、試行事業の実施や重要コア設備の世代交代が加速したと指摘した。
報告によると、23年末までの中国全土の水素生産能力は年間4900万トン以上で、生産量は3500万トンを超え、前年比でいずれも約2.3％増加した。これらは主に合成アンモニアやメタノール、精製などの工業プロセスの中間原料となっている。石炭による水素製造、天然ガスによる水素製造、工業副産物による水素製造は依然として中国で水素の主な供給源となっている。また、水電解による水素製造が安定的に発展し、生産能力は年間45万トン、生産量は約30万トンとなった。