中国青海省海南チベット族自治州共和県にある塔拉灘1000万キロワット(kW)級生態太陽光発電所では、太陽の光に照らされた紺色のソーラーパネルがキラキラと輝いている。パネルの下では、羊たちが青々とした草を食べたり、遊んだりしている。人民網が伝えた。
同発電所の敷地面積は609平方キロに及ぶ。かつては砂漠化面積が98.5%を占めていた広大なゴビは、年間平均日照時間が約3000時間あり、太陽光発電に適した条件を備えていた。発電設備容量が世界最大規模の太陽光発電パークができてからは、江蘇省や河南省などに送電するようになったほか、現地の平均風速が50%低下し、植生被覆率が80%まで回復し、砂漠の砂丘が草原のオアシスになった。
ここでは、ソーラーパネルに砂埃が付着すると発電効率に影響を与えることから、運用保守担当者は定期的にソーラーパネルを洗浄している。すると、水を撒いた場所から青々とした草が生えてきた。この草を羊が食べることで遊牧民の飼料のコストが減り、人手で草むしりをする手間も省けた。また、羊の糞が土地を肥やし、羊を売れば遊牧民の収入にもなる。まさに「一石多鳥」だ。
こうして、2021年からは600頭の羊が発電所に「出勤」するようになった。羊が草を食べやすくなるように、ソーラーパネルの設置高度を当初の0.5メートルから1.2メートルに引き上げ、パネルの間隔も広げた。
「羊の糞で土地が肥えると、草の成長がますますよくなり、羊がますます肥えるようになった。私たちはこの羊たちを『ソーラー羊』と呼んでいる」。
同自治州では発電所敷地内に12カ所の太陽光発電生態牧場を完成させており、「太陽光発電産業+生態保護+生態農業・牧畜業」の新たな開発モデルを構築。牧畜業の利益を効果的に拡大し、新たな経済成長源を形成している。
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