2024年10月07日-10月11日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年10月07日-10月11日 >  中国の製造企業が600万社突破 注目される3つの傾向

中国の製造企業が600万社突破 注目される3つの傾向

2024年10月10日

 中国の全国組織機構統一社会信用コードデータサービスセンターによると、2024年8月末時点における中国の製造企業数が23年末比5.53%増の603万社となり、初めて600万社を超えた。人民網が伝えた。

 製造企業の増加を詳しく分析すると、次の3つの前向きな傾向が見られる。

傾向1:製造企業のハイレベル化

 600万社を超える製造企業のうち、戦略的新興企業は23年末比6.35%増の51万5300社で、全体における割合は23年末の8.48%から8.55%に上昇した。このように、中国の製造業は構造転換・高度化の傾向をはっきり示している。

 新興産業が発展・拡大を続け、対外貿易輸出の「新御三家」(電気自動車、リチウム電池、太陽電池)の輸出額が1兆元(1元=約21円)を超えた。太陽光発電ユニットの生産量は16年連続世界一で、産業競争の新たな原動力の形成が加速している。また、量子通信や大規模AI(人工知能)モデルなど未来産業の展開・建設が進んでいる。

 ハイレベルに成長したのは大手企業だけではない。6月末現在、中国では「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」を特徴とした中小企業が14万社以上育成され、うち小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)は1万2000社に達した。イノベーション能力、専門化レベル、成長性を持つ中小企業が、製造業の発展・拡大の新勢力となっている。

傾向2:製造企業の強力化

 このほど発表された中国トップ500社では、製造企業が264社と半数を超えた。一定規模(年売上高2000万元)以上の工業企業は、12年の34万4000社から23年には48万2000社へと大幅に増加した。製造業の付加価値額も12年の16兆9800億元から23年には39兆9000億元へと増加した。

 政策面では、先進的製造業クラスターの育成・発展、産業の基礎となるリエンジニアリングプロセスの安定的な推進、情報インフラ整備、製造業イノベーションセンターの建設などの措置が、製造業の発展を促した。

傾向3:製造企業のバランス化

今年1~8月、中部地域で新たに増えた製造企業は23年末比6.55%増の6万9700社に上った。西部地域は5.23%増の3万7600社で、東北地域は3.87%増の9900社だった。地域分布からも、中国の製造業がバランスの取れた方向へ向かっていることが見て取れる。

 バランスは産業展開にも現れている。600万社を超える製造企業は規模もタイプもさまざまで、あらゆる産業に分布し、産業チェーンの川上から川下へと広がっている。工業付加価値額が国内総生産(GDP)に占める割合は昨年、31.7%に達し、220種類以上の工業製品で生産量が世界一だった。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る