中国北京市海淀区市場監督管理局はこのほど、新型人工知能(AI)イノベーション企業の享刻智能技術(北京)に対し、エンボディドAIロボットの食品営業許可証を発行した。このことはエンボディドAI分野の先端技術が飲食市場に進出する可能性を示している。工人日報が伝えた。
同社では、許可を取得したばかりのスマートロボットシェフ「LAVA」が調理をする様子を見ることができた。
鍋の油が十分な温度になったらポテトを入れ、温度をコントロールしつつ油を切る。熱い油の中を泳ぐポテトが少しずつ黄金色に変わると、ロボットシェフは火の通ったポテトを鍋から一気にすくい上げた。
「さあ、AIロボットシェフが作ったフライドポテトを味わってください。外はカリカリ、中はふんわりしていて、美味しいですよ」同社のスマートプロジェクト開発運営責任者である田艶氏は、フライドポテトを手に取り、試食を勧めた。田氏によると、「LAVA」は複数のタスクを実行できる能力を持っており、現在市場にある菓子や麺を作る単一機能のロボットとは異なるという。調理時間や料理の風味・食感を自動的に判断し、制御できるだけでなく、独自学習を続けることで新たなメニューを「発明」することも可能で、さらに現場の状況を判断して安全リスクを報告することもできるという。
国家市場監督管理総局はこうした新たな状況に対応するため、「食品経営許可・登録管理規則」を改訂・公開し、自動設備を利用して食品経営活動に従事する行為に対して、より具体的で明確な規定を打ち出し、2023年12月1日から施行している。
世界中華料理連合会、国際中華料理名シェフ専門連合会北京エリアの副秘書長を務める王新偉氏は「エンボディドAIロボットに初めて食品営業許可証が発行されたことは、同分野の先進技術が飲食市場に進出し、大規模なビジネス展開と収益化を可能にすることを意味する。飲食企業のメニューの再現性やシェフ確保、管理などの難易度を引き下げ、コストも大幅に引き下げる」と語った。