中国生態環境部(省)によると、新たに改定された「コールベッドメタン排出基準」がこのほど発表された。新基準は安全な生産を前提として、より厳格な排出規制と監視要件によってメタンガスの排出規制を強化するとしている。これは気候変動の緩和、生態環境の質の改善に寄与するもので、同基準は2025年4月1日より施行される。科技日報が伝えた。
新基準の施行により、メタンガスの排出を二酸化炭素換算で年間約5000万トン削減できると推定されている。
コールベッドメタン(CBM)は炭層ガスとも呼ばれ、炭層の中で石炭に伴って発生し、メタンガスを主成分とする天然ガスのことだ。CBMは主にメタンガスと空気の混合物からなる天然ガスで、メタンガスは世界2位の温室効果ガスで、地球温暖化係数が高く寿命が短いという特徴を持つ。メタンガス排出を積極的かつ秩序正しく抑制することは、地球全体の気温上昇を遅らせる気候効果やエネルギー資源を利用する経済効果、汚染物質を相乗的に抑制する環境効果、労災を削減する安全効果がある。
生態環境部気候司の関係者は「2008年に『コールベッドメタン排出基準(暫定)』が初めて公表された。当時は低濃度ガス(メタンガス体積比が30%未満のガス)と換気排ガスを利用する技術が成熟していなかった。そのため同基準はCBM及び濃度30%以上の抽出ガスに対する義務的要件を定め、低濃度ガスに対する排出規制要件を定めなかった」と説明した。
さらに「石炭業界の採掘技術の高度化に伴い、CBMの採取・利用技術のブレイクスルーが続き、メタンガス濃度が8%以上の低濃度ガスの採取・利用技術はすでに成熟している。現在の技術発展水準から見ると、ガス排出抑制要件を引き上げることが、新たな温室効果ガス排出管理の要求を満たすだけでなく、中国メタンガス利用技術を最大限活用することにもつながる」と述べた。
同基準はCBM排出抑制の要件を引き上げ、メタンガスの体積濃度が8%以上であり、採取量が10立方メートル/分を上回るCBMの排出を禁止している。