中国国務院新聞弁公室で9日に開かれた記者会見で、世界のスマートフォンのうち1億台以上が四川省と重慶市で生産されたことが明らかになった。両地域は今後、人工知能(AI)や低空経済(低空域飛行活動による経済形態)などの未来産業を育成する。中央テレビニュースが伝えた。
四川と重慶は近年、集積回路や新型ディスプレイ、スマート端末などの産業チェーンの補完・強化を加速させている。成都・重慶地区は世界トップ10の電子情報製造業集約地となっており、世界のiPadの3分の2、約8000万台のノートPC、1億台以上のスマホが四川・重慶で生産されている。
両地域は産業チェーン需給マッチングプラットフォームを共同建設し、「水素回廊」「電気回廊」「スマートモビリティ回廊」の建設を牽引力として、スマートコネクテッド新エネ車研究開発生産拠点を建設。すでに2000社以上の完成車および部品メーカーが集まっている。中国国内で生産される自動車のうち、7台に1台が四川・重慶生産で、動力電池の5分の1以上が両地域で製造されている。
四川省の李文清副省長は「当省は西部金融センター、巴蜀文化観光回廊、成都・重慶高効率特徴的農業モデルベルトの共同建設に注力しており、多くの特徴的な新製品、新業態、新モデルが誕生している。今後はAIや低空経済、商業宇宙、原子力技術応用などの未来産業を共に育成する」と述べた。
科学技術イノベーションプラットフォームでは、両地域は国家精密医療産業イノベーションセンター、同素体及び薬品国家工学研究センター、中国人間集団生物資源バンク、国家応用数学センター、長江川上遺伝資源開発ビッグサイエンスセンターなど複数のイノベーションプラットフォームの建設を加速させ、複数の重要な象徴的成果を上げた。科学技術インフラでは、電磁駆動型核融合装置など3つの国家重要テクノロジーインフラを新たに展開し、中国地震科学実験場などの建設を加速させた。
資源共有の面では、計257件の重点研究開発プロジェクトを共同で実施。国家スパコン成都センター、中国・シンガポール(重慶)スパコンセンターなどが相互に開放された。実用化協力の面では、2都市経済圏技術移転連盟を設立し、国家科学技術成果の移転・実用化モデルエリアの建設と、成都・重慶一体化技術取引市場の形成を加速させている。また、高速列車省エネルギー運転アシストや北斗3号ベースバンドチップなどの分野で、複数の協力成果の実用化を実現した。