中国企業が開発したオープンソースの大規模言語モデル「DeepSeek」が、中国や世界で注目を集めている。新華社が伝えた。
中国のデータ研究機関「QuestMobile」の8日のデータによると、DeepSeekのDAU(1日あたりのアクティブユーザー数)が1月28日に初めて字節跳動(バイトダンス)の大規模言語モデル「豆包」を超えた。その後、2月1日に3000万人の大台を突破した。
中国国内のAI産業チェーンでは、この大規模モデルへの対応が進んでいる。華為雲(ファーウェイ・クラウド)や騰訊雲(テンセントクラウド)、阿里雲(アリクラウド)、百度雲(バイドゥクラウド)などが、続々と自社のクラウドコンピューティングサービスプラットフォームにDeepSeekを導入し、昇騰や沐曦、海光信息といったAIチップメーカーもDeepSeekに対応できるよう調整している。その他、計算能力産業チェーンにある多くの企業も、DeepSeekへの対応が完了したと発表している。
工業・情報化部(省)によると、中国の3大通信キャリアである中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)はいずれも「DeepSeek」を導入したという。この流れは自動車業界にも波及し、7日には東風汽車傘下の嵐図汽車(VOYAH)が「新型電動SUV『嵐図知音』が自動車業界で初めて『DeepSeek』を導入した量産車となるだろう」と発表した。同日、吉利汽車も「独自に研究開発した大規模モデル『星睿』と『DeepSeek-R1』の融合が完了した」と発表した。電気自動車(EV)メーカー・小鵬汽車の何小鵬董事長は「オープンソースで高性能のAIはコストが極めて安い。今後10年間でAIが自動車業界において大きな変革をもたらすだろう」との見解を述べた。