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中国の研究チーム、触媒寿命の1000時間超を実現

2025年02月26日

 水素エネルギーは未来のグローバルエネルギーシステムの重要な柱と考えられており、高効率かつ安定的で低コストの水素製造はエネルギー技術の発展における重要な課題となっている。中国科学院大学の周武教授チームと北京大学の馬丁教授チームはこのほど、全く新しい高活性水素生成触媒の安定化に関するソリューションを学術誌「ネイチャー」に発表した。中国青年報が伝えた。

 触媒技術は現代化学工業において中心的な役割を果たしており、世界の80%以上の工業化学製品は触媒プロセスに依存している。触媒反応の中核である触媒の活性と選択性は、反応速度や目的生成物の収率を決定し、触媒の性能を評価する重要な指標となっている。しかし、実際の産業応用においては、高活性と高選択性だけでは不十分であり、触媒の安定性が生産の持続性と経済性に直接影響を与え、大規模な商業化を実現できるかどうかを左右する中核的な要因となる。

 触媒研究において「高活性と高安定性の両立は難しい」という課題は、科学者らが直面する問題の一つだった。この触媒安定性のボトルネックを解消するべく、研究チームは今回、新たな触媒安定化ソリューションを提案した。

周氏は「研究チームが希土類酸化物のナノ被覆層を設計・構築することにより、Pt/γ-Mo2N触媒の高活性界面の触媒活性サイトを保護することに成功し、メタノール水蒸気改質による水素生成反応における触媒の安定性を顕著に向上させた。その結果、触媒の寿命は1000時間を超え、既存のメタノール水蒸気改質触媒を大きく上回る1500万回以上の触媒回転数(TON)を実現することができた。今回のブレイクスルーは、この種の触媒の応用可能性を大きく広げるだけでなく、水素技術の持続可能な開発に対して重要なサポートを提供している」と説明した。

 今回の研究は触媒科学における安定性のボトルネックを打破し、活性を低下させることなく、高い安定性を持つ界面触媒の設計に初めて成功した。これにより、貴金属触媒の低コストで高安定性の応用に対する実行可能なソリューションが提供されている。今後、グリーンエネルギーや水素燃料電池、持続可能な化学産業などの分野で重要な役割を果たすことが期待されている。

中国科学院大学
北京大学
 
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