第二十六章 水利・防災・災害減少システム構築の強化
水利のインフラ建設を強化し、大型河川への整備を継続した上で、重要な支流、湖、中・小型河川の整備に当たり、都市部と農村部の給水能力、洪水防止能力を強化する。災 害防止体制および被害軽減体制を整備し、自然災害への抵抗力を強化する。
第1節 給水保障能力の向上
南から北への輸水、東西の相互扶助、ダムの連携による水資源配分体制を整備し、複数の流域にまたがる輸水および主要水源プロジェクトを建設し、中 小型またはそれ以下の水源プロジェクトの建設を統一して計画し、水資源の供給・備蓄能力を高める。西南地域などにおける「事業的な水不足」と西北地域などにおける「資源的な水不足」の解決に取り組む。年 間の給水量を400億立方メートル増やす。雨水洪水の資源的利用と雲水蒸気の資源利用を強化する。水文・水資源の管理インフラおよび重要な水利事業の調整管理システムの建設を推進する。
第2節 洪水予防能力の強化
ワイ河(さんずいに准のつくり)、長江、黄河、洞庭湖、鄱陽湖など大型の河川・湖の整備および堤防の外で洪水を一時的に蓄える重要な窪地や湖の建設を引き続き強化し、技 術的難易度が高く工期を左右する一連の中核プロジェクトを完成させ、重点的な洪水予防保護区の洪水予防能力を高める。中小河川の堤防建設と河道整備に力を入れ、洪 水予防の重点対象となっている流域面積が200平方キロメートル以上の中小河川の整備を完了させる。危険ダム・水門の補修・補強を急ぎ、安全リスクを取り除き、洪水予防能力を強化する。建 設基準に則した防波堤の建設と河口の総合整備を加速させる。複数の地区に跨る河川・国土の保護・整備を着実に実施する。
第3節 山地洪水・地質気象・地震災害対策の強化
山地洪水・地質災害への防災力を高め、災害調査評価体制、監督早期警報体制、予防対策体制、緊急対応体制の構築を急ぎ、立ち退き避難と重点的な処理の実施を加速させる。重点時期、重 点地区における山洪水災害対策を強化し、土砂崩れ、土石流などの重点突発的地質災害のリスクに対してモニタリング・早期警報・総合対策モデルを実施し、重要都市・地区の地盤沈下、地 割れなど漸次進行型の地質災害の総合対策を展開する。気象災害のモニタリング・早期警報、情報開示制度づくりを強化する。地震のモニタリング分析力および震災防御力を高める。
01 | 都市・農村部の水源・給水事業
中国南方地域の水を北方地域に送り慢性的な水不足の解消を目指す「南水北調」事業の東線・中央線第1期主体・付帯プロジェクトの建設を終了する。貴州省黔中の引水事業や、湟水河の1級支流・大 通河上流にある石頭峡ダムの水を湟水河1級支流・北川河上流の宝庫河に送り湟水河の両岸山地と本流における水不足解消を目指す青海省の「引大済湟」事業など、重点水源資源調整事業の建設を急ぐ。雲 南省滇中の引水事業や漢江から水を引き渭河を助ける陝西省の「引漢済渭」事業、吉林省中部地域の引水事業、長江の水を巣湖に引き込む安徴省の「引江済巣」事業などの基礎工事を早急に進める。チベット自治区旁多、雲 南省小中甸、遼寧省青山、四川省小井溝、海南省紅嶺、江西省浯渓口などの大型ダムおよび西南地域などの中型ダムを完成させる。 |
02 | 大規模河川・湖と中小規模河川の整備事業
淮河本流の洪水時における排水能力の向上や長江中・下流域における河の流れの抑制、黄河の寧蒙河区間および下流域の整備など河道整備と堤防建設を今後も推進し、四川省亭子口、湖南省涔天河、江 西省峡江、広西省大藤峡、河南省河口村などの流域における抑制的中核事業の建設を加速させ、洞庭湖、鄱陽湖の重点低地防水堤の整備を強化し、規格をクリアした防波堤の建設、重要河口の整備を強化する。中 小河川の整備に力を入れ、洪水災害が発生しやすく人口が密集し、重要な保護対象となっている河川・流域を優先的に整備する。 |
03 | 地質災害防止事業
特大規模の地質災害のリスク地域における防災整備を整える。地質災害リスク地域を対象に住民の立ち退き避難を実施する。地質災害リスク地域のモニタリング・早期警報システムを構築する。 |
第7篇 イノベーションによる科学教育立国戦略と人材強国戦略の実施
国の中長期科学技術・教育・人材計画綱要を全面的に実施し、科学技術イノベーション能力を大きく向上させ、教育改革発展を加速し、人材資源の優位性を活かして、イノベーション型国家の建設を推進する。