Ⅳ. 資源循環
日本がこの分野で先行しており、欧州がそれに続いている。米国はこの分野での存在感は低い。それに韓国、中国が続いている。
中国に世界のPETボトル・リサイクル・センターが存在しリサイクル量は多いが、国内技術は比較的低レベルの技術が多い。
国内にプラスチックを大量に使用する雑貨品や低価格の電気電子産業が存在する。したがって、高度のリサイクル技術よりも、簡単な汚物除去や手選別をした程度の「混合プラスチック」が製品に利用されている。
レアメタルのリサイクル技術に関する研究水準は低いが、経済成長に伴いレアメタルの製造量及び消費量が増大したため、国家的な政策にも後押しされて熱心に研究が行われている。特 に貴金属やレアアースの開発に力を入れている。ただし、環境対策が大幅に遅れているため、環境破壊や健康障害が深刻な問題となる可能性がある。
分離・選別リサイクル技術に関しては、人力作業に頼れる部分が大きくあり、技術開発のインセンティブが低い。しかし、近い将来、安 価な装置を武器に東南アジア等への輸出に向けた技術開発や産業は活発化する可能性がある。
廃棄物の焼却は高コスト技術であり、大都市での利用に限られている。国産技術の開発はまだ行われておらず、産業としての廃棄物中間処理は未整備である。研究面でも実験設備が高コストのため限定的である。
環境配慮・省資源型生産技術(グリーン・ケミストリー)について、中国科学院や一部の大学で研究が活発に行われ、近年では日米欧の追従からの脱却の兆しが見える。バ イオ原料の有効利用の研究開発が盛んである。企業における開発はSINOPECなどでようやく行われ始めたものの、発展途上である。