環境技術分野(国際比較)
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Ⅱ. ゲノム・機能分子

 米国が圧倒的であり、欧州が研究水準はほぼ互角であるが、技術開発水準や産業技術力では差がある。その欧州から日本は離されている。中国と韓国は同レベルである。

 中国は、比較ゲノム・メタゲノムの領域で新型シークエンサーを数台導入しており、かつ米国仕込みの研究者も多いため、潜在的な研究水準と技術開発水準は国際的である。

 上海と北京にゲノム研究を集中化している。バイオインフォマティックや統計遺伝学の分野では、米国で活躍している中国の研究者が世界を牽引している状況であり、こ れらの研究者が将来帰国すると発展が予想される。

 ポストゲノム関連の多くの中国国家プロジェクトはタンパク質を切り口にしており、急速に論文数が増加している。特に肝臓プロテオミクスでは世界をリードしており、また、SARSプロテオミクス、住 血吸虫機能プロテオミクス、中医証候に関するプロテオミクスなど中国独自のバイオマーカー研究も推進している。更に中国人の完全な遺伝子組織マップの作成にも成功している。

 メタボローム研究は日米欧に比して遅れているが、中国科学院及び国立生物化学研究所にメタボローム研究の拠点を構築する動きがある。

 生命機能化合物に関連して薬用植物の研究が盛んであり、昆明植物科学研究所などでは植物天然化合物を多数収集しており、海外との共同研究を通じて最近レベルアップしている。