第3章 国家大学サイエンスパークの現状
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第3節 地域分布と現状

 2008年10月現在、各地に設置された国家大学サイエンスパークの合計は62カ所にのぼり、全部で100以上の大学、地方政府及び研究機関により運営されている。地 域分布は下表及び下図に示す通りである。

表4.3 国家大学サイエンスパークの地域分布
地域 基地数 地域 基地数 地域 基地数
北 京 12 浙 江 広 東
天 津 安 徽 重 慶
河 北 福 建 四 川
遼 寧 江 西 雲 南
吉 林 山 東 陜 西
黒龍江 河 南 甘 粛
上 海 湖 北 新 疆
江 蘇 湖 南 合計 62
出典:中国教育部科技発展センター

図4.1 中国各地における大学サイエンスパークの地域分布

図4.1 中国各地における大学サイエンスパークの地域分布

出典:現地情報をもとに技術経営創研が作成(背景図:Copyright © 2003-2004 中国まるごと百科事典)

 2006年12月現在、国家大学サイエンスパークに入居している企業数の合計は5500社余りであるが、併設されているインキュベーションセンターに在籍している企業の合計は2276社であり、累 計の出身企業数は923社、更に、そこから上場に至った企業は34社に上る(下表参照)。

表4.4 上場中国校弁科技企業一覧(2006年、例示)
N0. 会社略称 市場 創立年度 上場年度 帰属機関
青鳥華光 上海 1993.9 1997.5 北京大学
明天科技 上海 1997.3 1997.7 北京大学
清華同方 上海 1997.6 1997.6 清華大学
雲大科技 上海 1998.9 1998.9 雲南大学
太工天成 上海 2000.7 2003.5 太原理工大学
交大博通 上海 2000.7 2004.3 西安交通大学
交大昂立 上海 1997.12 2001.7 上海交通大学
科大創新 上海 1999.12 2002.9 中国科技大学
泰豪科技 上海 1999.12 2002.7 清華大学
10 方正科技 上海 1985.1 1990.12 北京大学
出典:中国教育部科技発展センター
表4.5 入居中の企業数が100社以上の大学サイエンスパーク(2006年)
序号 大学サイエンスパーク名称 入居中の企業数(社)
南京大学-鼓楼高校国家大学科技園 607
復旦大学国家大学科技園 512
上海大学国家大学科技園 463
浙江大学国家大学科技園 268
重慶大学国家大学科技園 265
華東理工大学国家大学科技園 198
華東師範大学国家大学科技園 178
武漢東湖大学科技園 167
河南省大学科技園 148
10 岳麓山国家大学科技園 142
11 北京科技大学科技園 140
12 上海交大科技園有限公司 132
13 中国石油大学国家大学科技園 130
14 江南大学国家大学科技園 127
15 重慶市北碚国家大学科技園 121
16 ハルピン工業大学国家大学科技園 120
17 南昌大学国家大学科技園 118
18 北京北航科技園 116
19 深セン虚擬大学科技園 114
20 東北大学国家大学科技園 112
21 上海理工大学国家大学科技園 112
22 ハルピン工程大学国家大学科技園 110
23 合肥国家大学科技園 110
24 燕山大学国家科技園 108
25 中国鉱業大学国家大学科技園 106
26 中山大学国家大学科技園 106
合   計 4,830
出典:中国タイマツハイテク産業開発センター
表4.6 出身企業が40社を超えた国家大学サイエンスパーク(2006年)
No 大学サイエンスパーク名称 出身企業数
深セン虚擬国家大学科技園 129
華東理工大学国家大学科技園 99
北京理工大学国家大学科技園 86
武漢東湖国家大学科技園 75
清華大学国家大学科技園 74
復旦大学国家大学科技園 67
浙江大学国家大学科技園 60
北京科技大学国家大学科技園 52
上海大学国家大学科技園 48
10 華南理工大学国家大学科技園 48
11 華東師範大学国家大学科技園 47
12 中国石油大学国家大学科技園 47
13 廈門大学国家大学科技園 46
14 南昌大学国家大学科技園 46
15 上海理工大学国家大学科技園 45
16 江南大学国家大学科技園 45
17 重慶大学国家大学科技園 41
合   計 1,055
出典:中国タイマツハイテク産業開発センター

 今日、中国における大学サイエンスパークは大きな注目を集めていると同時に、多様な課題にも直面している。例えば、大学サイエンスパークの将来の位置づけや役割などの問題や、国 家ハイテク産業開発区や他のインキュベータとの横断的な関係の再整理などが挙げられる。今日、中国教育部「21世紀に向けた教育振興アクションプラン」 [1] 中国科学技術部タイマツ計画」などの展開は新たな段階に入っており、実務的なレベルでどのように、また、どれ程統合していけるかと言う点にも大きな課題があり、活発な議論を呼んでいる。


[1] 中国教育部「21世紀に向けた教育振興アクションプラン」についての簡単な説明は後掲、資料・主要関連政策に取りまとめた。