第4回CRC国際シンポジウム開催報告
2011年3月2日 国連大学ウ・タント国際会議場
※プログラム&講 演資料は上記サイトにて閲覧できます。
(独)科学技術振興機構 中国総合研究センター(CRC)主催の国際シンポジウム「 日中科学技術協力の新展開」が、2 011年3月2日、国連大学ウ・タント国際会議場で開催されました。会場がほぼ満席となる約300人の参加者のもと、活発な討論が展開されました。
まず、吉川弘之CRCセンター長の開会挨拶に始まり、続いて、日中双方の関係者として、笹木竜三文部科学副大臣、李纓駐日中国大使館参事官が来賓として挨拶し、サー ジョン・ボイド元駐日英国大使、張 傑上海交通大学学長、仲尾功一 タカラバイオ代表取締役社長がそれぞれ基調講演を行いました。
午後には2つのパネルディスカッションが行われました。第1のセッションでは「中国と日本の新しい競争・協調関係 ~ものづくりの現場から~」とのテーマを掲げ、有本建男 JST社会技術研究開発センター長をモデレータに、産業界の多彩な業種から5人のパネリストを迎えて進められました。
- 朝比奈 宏・・・東芝メディカルシステムズ株式会社 席常務
- 梶原 巡・・・株式会社大塚製薬工場 専務取締役
- 木村 昌平・・・日産自動車株式会社 執行役員
- 高橋 理佳・・・株式会社資生堂 技術企画部海外技術企画室 室長
- 富高 忠房・・・ソニー中国研究院 院長
各パネリストからは、日本のものづくりのグローバル企業として今現在何を目指し、どのように中国、世界を捉えているのかについて率直な意見が示されました。また、会 場から寄せられた質問にも各パネリストが現状に即した答えを返し、中国や海外で展開している企業人ならではの発言に、聴衆からも大きな反響が得られました。
第2のセッションでは「第12次五か年計画と日中科学技術協力の新展開」として、角南篤CRC副センター長をモデレータに、次のパネリストによって行われました。
- 穆 栄平・・・中国科学院科技政策・管理科学研究所所長 兼 創新発展研究センター主任
- 松見 芳男・・・伊藤忠商事理事、伊藤忠先端技術戦略研究所長
- 有本 建男・・・パネル1のモデレータ
ここではまず、現在世界が注目している、今年から始まる中国の第12次五カ年計画に関係して、穆氏から中国の今後の科学技術とイノベーションについて分かりやすい解説がありました。続いて、松見氏、有 本氏からはイノベーション、日本の海外進出について力強い意見が示されました。
シンポジウムは、CRCアドバイザリー委員会委員長であり、元文部科学大臣の有馬朗人氏による力強い日本社会への励ましの言葉をもって閉会しました。
本シンポジウムでは、登壇した講演者も会場の一般参加者も半数以上が日本の民間企業からの方でした。
このような構成に、初めてCRCシンポジウムに参加された方にも多くお集まりいただき、また、多くの方々にアンケートに答えていただきご感想、ご意見をお寄せいただきました。この場を借りて、お 礼を申し上げます。頂いたご意見を参考に、今後とも日中双方の科学技術の発展、協力のお役に立てるよう、各種研究会、シンポジウムを企画、開催して参りたいと存じます。
引き続き温かいご支援、ご協力をお願い申し上げます。