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【07-012】浙江省・江蘇省の新しい技術移転基地

2007年12月17日〈JST北京事務所快報〉 File No.07-012


 11月初旬、中国科学院国際合作局の協力により、浙江省と江蘇省にある新しい研究開発と技術移転を行っている機関を訪問する機会を得たので報告する。今回訪問したのは、寧波、嘉興(以上、浙江省)、蘇州、常州(以上、江蘇省)で、いずれもいわゆる「長江デルタ地帯」の一角をなす最近経済発展が著しい地域である。

中国では、香港・マカオという特別行政区を背後に控えた広東省の広州・深セン・珠海などを中心とする「珠江デルタ地帯」、上海を中核として、江蘇省、浙江省にまたがる揚子江河口付近一帯の「長江デルタ地帯」、北京と天津を中心とする「京津地区」が急速に発展する地区として特出されている(「京津地区」についてては、大連から遼東半島の青島まで含めて「渤海湾沿岸地帯」と広く捉える捉え方もある)。今回訪問したのは「長江デルタ地帯」である。上海の急速な発展ぶりは広く知られているところであるが、それを支えているのが周辺の浙江省、江蘇省にまたがる「長江デルタ地帯」である。今回訪問したのは、これらの地区の中でも新しい開発区や機関である。以下、個別に概要を紹介するるとともに、全体を通じての感想を記したいと思う。

1.各施設やサイエンスパーク等の状況

(1)中国科学院寧波材料・工程研究所

(参考1)「中国科学院寧波材料・工程研究所」のホームページ
http://www.nimte.ac.cn/

 この研究所は、2004年4月20日に中国科学院と浙江省、寧波市が合意して発足した新しい研究所である。所長の崔平氏は、材料が専門の女性研究者である。下記に紹介する寧波ハイテク産業開発区の中の研究開発園区の中にある。組織としては2006年3月に正式に発足し、その後、施設などの整備が行われて、筆者が訪問した後の2007年11月30日に中国科学院の路甬祥院長出席の下、正式な開所式が行われた。現在は、恒久的な職員が450名、客員研究員及びポスドクが100名、研究生200名の体制で研究を行っているが、周辺は広大なハイテク産業開発区であり、この材料・工程研究所のために既に48,000平方メートルの敷地が用意されていて、将来は研究施設を拡張する予定であるとのことであった。

研究所の中には「高分子材料及び有機・無機複合部」「希土類磁性材料部」「機能材料・ナノ機器部」「表面加工・表面処理部」「燃料電池部」の各研究部があり、幅広い研究を行っている。

この研究所のミッションは、「明確な目的を持った基礎研究」「技術の融合による戦略的なハイテク研究」「技術の産業化と技術移転」「人材養成」の4つである。単なる基礎研究を行う研究所に留まらず、産業化研究と企業への技術移転もこの研究所の任務として持っている、とのことである。

この点は、以下に紹介する他の地区の研究所や技術移転センターでも聞いた話であるが、中国の企業は企業自身の研究開発能力が弱いので、かなりコマーシャル・ベースに近い部分まで、こういった公的研究開発機関が研究を行う必要がある、という認識を持っているようである。

(2)寧波ハイテク技術産業開発区・寧波市研究開発園区

(参考2)「寧波ハイテク技術産業開発区」のホームページ
http://www.nbhtp.gov.cn/

 寧波市は昔から港に隣接した街として有名で、現在、戸籍人口が560万人、戸籍を持たないいわゆる「流動人口」も併せると700万~800万近い人口を抱えているとのことである。「寧波ハイテク技術産業開発区」は2007年1月に「国家級開発区」としての認定を受けた、とのことだった。

寧波の最もホットな話題は「杭州湾大橋」の建設が最終段階であり、これが開通すれば上海までの距離がずっと近くなるということである。橋の主要工事は既に終了しており、現在、路面の整備など最終的な仕上げが行われている段階で、2008年前半には開通する予定である。12月 5日、北京でこの「寧波ハイテク技術産業開発区」の説明会があったが、この席で担当者は、「杭州湾大橋」の開通は当初予定の6月を前倒しして4月には開通する見通しである、と述べていた。「杭州湾大橋」が開通すれば、寧波と上海の間は、現在、杭州経由の高速道路で約320km(車で約4時間)であるのに対し、170km(約2時間半)に短縮される(「杭州湾大橋」自体の長さは36kmである)。

寧波の港は、上海に次いで中国第二位の貨物取扱量を誇ることから、税金など様々な形でお金が落ちるため、財政的には寧波市はかなり豊かなようである。「杭州湾大橋」は国家プロジェクトではなく、実は地元主導のプロジェクトなのである。下記の「杭州湾大橋プロジェクト」のホームページによると、このプロジェクトを実施している会社の90%の資金は寧波側から、10%は対岸の嘉興側から出されており、調達資金の半分は民間企業が出資しているとのことである。

(参考3)「杭州湾大橋」のホームページ
http://www.hzbb.com/

 「寧波ハイテク技術産業開発区」には、既に日系企業をはじめ、多くの外資系企業が進出している。12月 5日に北京で開催された「寧波ハイテク技術産業開発区」の説明会に筆者も参加したが、この説明会には日本をはじめ外国の関係者ももちろんいたが、中国国内の関係者も数多く参加しており、質疑応答の時間に質問したのは北京の大学や会社など中国系関係者の方が多かった。

(3)中国科学院嘉興応用技術研究・産業化センター

(参考4)「中国科学院嘉興応用技術研究・産業化センター」のホームページ
http://www.jc.ac.cn/

 今回の訪問に際して、嘉興市の科学技術担当の副市長・柴栄強氏ともお会いする機会があった。嘉興市は、上海と杭州の間に位置する市で、戸籍人口は330万人、「流動人口」を入れると人口500万人の都市である。上海に隣接している(上海虹橋空港から車で1時間)ことから、外資系企業も多く進出しており、現在日系企業が110社ある、とのことであった。中国で最初の秦山原子力発電所は、この嘉興市の沿岸部に立地している。現在、秦山原子力発電所は、I期、II期、III期合わせて5つの原子炉で300万キロワットの発電容量を持っている。

中国科学院嘉興応用技術研究・産業化センターは、2004年11月23日に中国科学院と浙江省、嘉興市とが契約に調印して発足したセンターで、研究テーマはIT技術、精細化学、新材料、現代農業である。人材を集めるのもセンターの重要な役割で2005年からの3年間で250名以上の研究者を集めた。博士または准教授以クラス以上の研究者は113人でうち9人は日本、韓国、スイス、デンマーク、カナダ等から帰国した中国人の博士である。この中国科学院嘉興応用技術研究・産業化センター所長の陳秋栄氏自身、広島大学に6年間留学の経験のある日本からの帰国組である。現在、20歳代、30歳代の若手を中心に研究者を集めているところ、とのことだった。

名前の通り、このセンターの重要な使命は「産業化」(中国語では「転化」、英語では Commercialization と表記されている)である。そのため中国科学院の各地にある研究所の「分センター」(支所)をこの嘉興センターに集め、各研究所の研究成果を産業化に結びつけるための研究開発を行っている。また、現在までに、基礎研究と産業化の間をつなぐ「中間試験生産ライン」を「軽金属合金表面処理」「ナノ晶体磁性粉体」「低アルデヒド環境保護型液体接着剤」の3つについて設置している。また、現在までに研究成果の産業化のための会社を9つ設立した。

(4)中国科学院蘇州ナノ技術・ナノバイオニクス研究所

(参考5)「中国科学院蘇州ナノ技術・ナノバイオニクス研究所」のホームページ
http://www.sinano.ac.cn/

 蘇州は戸籍人口620万人の都市であり、上海に近いこともあり、既に多くの外資系企業が進出するなど大きな発展を遂げている。これまで開発されてきたのは旧市街の西側の地域であるが、現在、旧市街の東側でも大規模な工業園区の開発が行われている。この東側の工業園区の中にある中国科学院蘇州ナノ技術・ナノバイオニクス研究所は、2006年9月18日に中国科学院と江蘇省、蘇州市が契約にサインして発足したばかりの研究所で、現在建屋の建設が行われている(2007年12月にも完成予定)。現在、研究員の募集が行われているほか、南京大学の建物を借りて実際の研究が既にスタートしている(研究所としての正式な発足はまだなので、研究所の方々の名刺には(準備中)と書いてあった)。

現在までに320名の職員が集められており、最終的には700名にする予定で、その7
00名のうち400名を研究者にする予定とのことであった。現在集められている人員の90%は海外留学帰国組で、そのうち50%が外国の研究所を辞めて直接この蘇州ナノ研究所に入ってきた人たちだという。所長の楊輝氏自身、ドイツに3年いて帰国した「海外帰国組」であるとのことだった。

所長の大きな仕事のひとつは、海外の研究所を巡って、この蘇州ナノ研究所に帰国する中国人研究者をリクルートすることであるとのことだった。日本に留学し、その後カナダへ渡って研究を続けていて今年夏にカナダから帰国してすぐこの蘇州ナノ研究所に入ったある研究者は、ここは研究施設も新しく、環境も温暖だし、上海のすぐそばで生活も便利なので、家族も喜んでいる、と話していた。

楊輝所長に、中国系ではない外国人研究者を集める考えはないのか、と聞いたところ、現在のところ中国国籍を持って外国で研究活動をしている研究者を帰国させることをメインとし、次いで外国籍を取得した中国系外国人(華人)を受け入れる考えである、とのことだった。中国の経済がもっと発展した暁には、華人ではない外国人研究者も受け入れることになるだろうが、現時点では、華人ではない外国人研究者が満足するような待遇は残念ながら用意できないのが現状である、との話だった。

(5)蘇州工業園区

(参考6)「蘇州工業園区」のホームページ
http://www.sipac.gov.cn/

 蘇州市の旧市街に開発された工業区とは別に旧市街の東側に広がる地域を開発したのが「蘇州工業園区」で、広さは288平方km、そのうち80平方kmはシンガポールと共同で開発を行っている。多国籍企業のほか、中国科学院ナノ産業化基地(蘇州ナノ技術・ナノバイオニクス研究所とは別の組織で、中国科学院の他の研究所の研究成果を産業化する基地)や多くの大学も進出している。進出している大学としては、蘇州大学南京大学中国人民大学などの中国の大学はもちろん、シンガポール国立大学、英国リバプール大学など外国の大学も進出してきている(これらの大学は、研究のため、というよりは、人材養成のために進出してきている、とのこと)。

(6)常州市科学城(サイエンスパーク)、中国科学院常州センター

(参考7)常州市科学技術局が主宰する「常州技術イノベーション・ネット」のページ
http://www.cticz.com.cn/

 常州市は、上海・南京間高速道路沿いに位置する蘇州、無錫、常州と並ぶいわば「長江河口域南岸メガロポリス」を形成する都市のひとつで、人口350万人、年間GDP成長率が15%に達しているほか、大学進学率が56%と教育レベルが高く、企業数のうち民営企業の割合が2/3に達し、政府による研究開発投資が年間約3億元であるのに対して企業の研究開発投資が50億元に達するなど民営企業の研究開発ポテンシャルが高い地域である、とのことだった。

この中に、常州市は「科学城」(サイエンスパーク)を開発している。この常州のサイエンスパークの中には4年生大学が6校、高等中学(日本の「高校」に相当する)の卒業生が入学する3年制の高等職業教育学校が5校あり、現在約7万人の学生が在学中である(将来的には10万人まで受け入れ可能)。高等職業教育訓練センターもあり、デジタル工作機械の操作や自動車修理など実践的な職業訓練も行われている。一方、南京大学中国科学院との共同研究施設もあり、職業訓練から大学院レベルの教育、基礎研究から産業化研究に至るまで、幅広い段階での人材養成と研究開発を集積した地区にしようとしている意図が伺えた。

南京大学中国科学院との共同研究施設は、同じビルの2階と3階が南京大学常州ハイテク技術研究院、4階と5階が中国科学院常州センターとなっていて、分野的にもソフトウェア、医薬、化学、太陽エネルギー利用等幅広い研究室が並んでおり、異分野の大学と中国科学院の研究者が自由に行き来できるようになっている。

このサイエンスパークでは、毎年「先進技術交易会」を催して、大学や科学院の研究成果と企業のニーズを持ち寄るなど、研究成果の産業化を促進させるような様々な方策が採られているとのことだった。

2.これらの視察を等して通して感じた筆者の感想

○研究機関、技術移転機関に関するもの

(1)視察した機関は全て中国科学院と地方政府(省及び市)の共同プロジェクトだった。いずれの地区でも地元政府が中国科学院が持つ研究ポテンシャルに期待して、中国科学院との協力に力こぶを入れているのを感じた。

(2)これらの研究機関等はいずれも海外にいる中国人(中国国籍を有する者及び中国系外国人(華人))を呼び寄せることに力を注いでおり、これらの機関が海外から帰国する中国人(華人)の受け入れ先になっていた。内陸部の研究機関には海外帰国組はなかなか定着しないが、沿岸部のこれらの地域ならば、海外帰国組にとっても帰国することに対する抵抗感は小さいと思われる。より多くの中国人研究者あるいは華人研究者を帰国させることも、これらの研究機関設立の目的のひとつと思われる。

(3)今回訪問した中国科学院の機関では、中国科学院の研究所が、産業化の一歩手前まで自ら研究開発を行う機能を担っていた。日本であれば企業化に近い産業化研究は企業が行い、企業が資金的に応用研究を行いにくい分野については、JSTのような公的機関が資金的な援助を行うのであって、公的機関自らが産業化研究を行うことはしない。中国の場合は、企業の研究開発意欲があまり高くないので、中国科学院のような公的機関が産業化研究に近いところまで行わざるを得ない、という事情があるものと思われる。

(4)内陸部にある中国科学院の研究所で得られた研究成果をその場所で産業化しようとせずに、沿岸部に持ってきて産業化しようとする意図が伺われた。これは内陸部では民間企業のバックグラウンドが弱い上に資金も不足しており、内陸部では研究成果の産業化は難しいので、民間企業のポテンシャルがあり資金的にも豊富な沿岸部に研究成果を持ってきて沿岸部で産業化を進めた方が実効性がある、という考えに基づくものである。日本の場合は、地域格差を少なくするために、科学技術の力を利用して地方の産業を活性化させよう、という発想であるのに対し、中国の場合は、産業化できるところでどんどん産業化させよう、その結果として地域格差がさらに拡大しても致し方ない、という発想であると思われる。このあたりは政策の目的のベクトルが異なるので、日本と中国とで地域における科学技術政策を考える場合には注意が必要である。

(5)これらの研究機関、技術移転機関では、海外からの帰国組の研究者や若手研究者を多く集めている。これらの地域は中国の中でも民間企業のポテンシャルが高い地域であるので、これら民間企業からのニーズを聴取して産業化のための研究を進めることになるのであろうが、海外からの帰国研究者や若手研究者が企業との間の橋渡しをする「目利き人材」になれるのかどうか、は若干疑問を感じるところである。やはり、中国においても、もっと企業における研究開発マインドを高め、企業の側から「目利き人材」を研究機関に派遣しないと、研究とその成果の産業化のマッチングはうまくいかないのではないかと懸念される。中国科学院が産業化直前まで応用研究を行う、という体制だと、企業は中国科学院の研究開発能力に頼り切ってしまい、自らの研究開発力を高める努力をしないままに終わるのではないか(企業の研究開発能力が育たないのではないか)、という点が懸念されるところである。

○各サイエンスパークについて

どこの地区も農民から多くの農地を買い上げて広大な工業開発区を次々に開発している。各地区がそれぞれの特色を生かして(例えば寧波が港や杭州湾大橋のような交通の便の良さを強調し、蘇州がシンガポールなど外国との協力を前面に出すなど)開発を進めていることには敬服する。しかし、印象としては、あまりにも開発のスピードが速すぎるのではないか、というのが気になる点である。新しい研究所では、立派な研究建屋が完成し、海外からの帰国組も含めて研究者が集まりつつあるが、ポイントはそういった研究者がどういう価値ある研究成果を出すかである。工業開発区であれば、実際にどれだけの数の工場が誘致され、どれだけの製品を生産し、どれだけの雇用が創出されるか、がポイントである。これらの最終目標が明確に描けないうちに、次々に新しい開発に着手しているのだとしたら「急ぎすぎ」のような気がする。次の開発に着手する前に、これまで開発に投資した分の成果の回収を図る必要があると思われる。

今回の視察は長江デルタ地帯という伝統的に中国でも民間企業の力の強い地域だったのが特徴的だった。民間企業が強い地域だからこそ、積極的な工業開発区の開発が行われているのだし、中国科学院も研究成果を産業化する機能を持った機関をこの地域に設立しているのだと思う。従来、こういった工業開発区は、外資導入を見込んで行われることが多かったが、中国全体の経済力が上がってきている現在、今後のこういったサイエンスパークに立地するのは、外資系の企業や研究機関だけではなく中国国内の企業、大学、研究機関も多くなるだろうと思われる。実際、12月 5日に北京で開かれた寧波ハイテク技術産業開発区の説明会には、外国の関係機関よりもむしろ中国国内からの参加者が多かった。今後は、こういったサイエンスパークには、中国国内企業の研究所等が多く立地することを念頭においた優遇措置などが重要になるのではないかと思った。

なお、短い視察機関ではあったが、浙江省の方では、中国科学院と大学との協力関係があまり重要視されていないような印象を受けた。浙江省では、今回我々が訪問した技術移転センターとは別に、例えば、清華大学の研究成果の技術移転機関である浙江清華長三角研究院が設立されているとのことである(「長三角」は「揚子江デルタ」のこと)。江蘇省の蘇州と常州では、サイエンスパークでは大学の誘致も熱心であり、中国科学院も大学(特に南京大学)との協力を重要視していると感じた。企業への人材の供給という点でも大学の存在は大きいので、企業と公的研究機関だけではなく、大学を交えた産学官(中国語では「政企学研」。「官企学研」ともいう。)の協力が重要であるとの印象を持った。

3.おわりに

 資本主義経済とは言いながら政府がいろいろな支援策を講じて経済をコントロールしようとしてきた日本の政策と、社会主義を原則としながら市場経済の原理を取り入れようとしている中国の政策には、かなり似通ったところがある。従って、産学官協力や研究成果の産業化に係わる科学技術政策について日中間で経験(失敗例も含めて)を交換し合う、というのは日中双方の科学技術政策担当者にとってお互いに有益なのではないか、と今回の視察を通じて感じた。

(注:タイトルの「快報」は中国語では「新聞号外」「速報」の意味)
(JST北京事務所長 渡辺格 記)
※この文章の感想・意見に係る部分は、渡辺個人のものである。