【13-006】交流促進の熱い思い共有―「第8回日中大学学長会議」中国・厦門大学で開催
2013年11月11日 米山 春子(中国総合研究交流センター)
2013年10月31日-11月2日に中国・厦門大大学で「第8回日中大学学長会議」が開催されました。
「日中学学長会議」は、主要な日中の大学が、2000年から、2年に一度、日中で交互に開催、日中の学術交流、学生交流の促進に資することに加え、両国の大学教育、研究の新しいあり方を模索し、各 界に積極的に提言を行い、率先して実践することを目的としています。
日本側メンバー
北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、一橋大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、広島大学、九州大学、慶応義塾大学、中央大学、早稲田大学、愛知大学、立 命館大学計17大学、文部科学省、科学技術振興機構(JST)、日本学術振興会(JSPS)、日本学生支援機構(JASSO )、大学評価・学位授与機構、計22機関
中国側メンバー
北京大学、清華大学、北京航空航天大学、北京師範大学、南開大学、天津大学、 東北大学、吉林大学、ハルピン工業大学、大連理工大学、復旦大学、上海交通大学、南京大学、浙江大学、中 国科技大学、厦門大学、武 漢大学、華中科技大学、四川大学、西安交通大学、新彊大学の計21の大学、中国教育部、国務院学位委員会、国家留学基金管理委員会、国家漢弁、計25機関
開会式では、中国教育部国際合作・交流司、劉宝利巡視員が教育部を代表して挨拶。劉氏は、これまでの日中大学学長会議の経緯、成果を述べ、続いて、中国の高等教育の発展状況、中 国と日本の教育交流の現況と未来に対する期待について説明されました。
ご挨拶の最後に「このような困難な時期にこそ、私たちは、両国民の根本利益から出発し、友好という信念を堅持し、両国民の間の相互理解と信頼の増進に努め、お互いの隔たりと疑いとを解消し、信 頼を深めて疑念を取り除き、相違点はさておきまずは共通点を求め、両国関係をさらに理性的で寛容な社会的雰囲気の中で発展させていかなければなりません。
皆さんが、両国関係の改善に知恵を与えてくださることを、私たちは心から希望しております。今回のフォーラムをきっかけとして、中国と日本の高等教育の交流協力が新たな段階へと歩みを進め、両 国の高等教育を新たな発展の高みへと率いていくことを信じてやみません。私は、また、日本の各界の有識者の皆様が、40年に亘る友好交流の成果を重視し、叡智を見せ、力 を与えてくださることを心から希望しています。中国の同僚たちもまた、皆さんとともに努力し、両国の教育分野での交流と協力を推進し、両 国民の相互理解と友情を深めるのに積極的な貢献をしていくことを願っております」(概略)と語りかけ、参加者に深い感動を呼び起こしました。( 挨拶全文PDF 28KB )
日本側文部科学省大臣官房審議官中岡司氏のご挨拶の後、主催者である厦門大学の朱崇実学長と立命館大学総長川口清史氏の基調講演に続いて、三つの議題 ①一流の大学とは②中日高等教育の相違点と共通点③中日大学間の交流提携活動の長所と短所―について日中大学学長および機関長などの発表がありました。
日中双方の大学から、活発な意見、充実した討議が行われ、懇談会、コーヒーブレークでは、個別の大学同士の交流が親密な雰囲気の元に行われ、極めて充実した会議でありました。
JSTには、今回、初めて、中国側からご招待があり、中村道治理事長が、JSTの紹介とともに、議題①について発表しました。
JSTは、中村理事長、沖村特別顧問が中国側参加大学全校と懇談、来年3月、北京と上海で開催予定の「日中大学フェアー&フォーラム」の参加表明を戴き、極めて有意義な初参加となりました。
日中間の政治情勢が誠に厳しく、公式行事の取り止めが続いている時に、予定通り、本会議を開催した中国教育部、各大学の熱意に心から敬意を表します。
会議に参加した日本の各大学に、グリーンのポロシャツを着た日本語学科のボランティァが一人ずつ専属で付き、こまごまとしたことまで気を使ってくださいました。我 々JSTのメンバーは遼寧省出身の大学4年生の可愛い素朴な美人の趙さんに大変お世話になりました。趙さんは日本に留学することが決まっており、日本での再会を楽しみにしています。
会議終了後の懇親会の最後に、ボランティァ全員が「世界で一つの花」を合唱しました。会場の日中大学関係者全員が手拍子で合唱を応援、日中の友好を願う気持ちと熱い心で会場が一体となりました。
主催者の厦門大学の心遣い、ホスピタリティに感謝を申し上げます。
次回2015年は九州大学での開催となり、九州大学から歓迎のスピーチがありました。次回、日中トップ大学の学長の講演交流を、大変楽しみにしております。