第39号:中国の高等教育改革の現状および動向
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中国国家重点実験室及び重点研究基地の建設の歩みと今後の動向

2009年12月28日

李立国

李立国(Li Liguo):中国人民大学高等教育研究室副主任、
中国人民大学公共管理学院教育研究所准教授

1970年10月生まれ。北京師範大学教育学学士、修士、博士。主な研究分野は高等教育の理論と歴史。「清華大学教育研究」、「中国高等教育」、「高等教育研究」等の学術定期刊行物に30編余りの論文を発表、共著に「西洋教育思想史」、「外国教育思想通史」(第2巻)、「大学戦略管理序説」、「大学協会組織研究」等がある。国家社会科学基金(教育類)、国家自然科学基金、教育部人文社会科学基金、北京市教育科学計画等多くの研究課題を引き受け、その責任者である。

 現在、中国は国家実験室、国家重点実験室、教育部人文社会科学重点研究基地等から成る研究実験基地体系を既に一応作り上げ、基礎研究の主要な学問分野と国民経済・社会発展の重点分野を基本的にカバーしている。これらの基地は中国の自然科学と人文社会科学の発展をサポートしリードする重要な役割を果たした。

1.国家重点実験室

 1984年、中国の基礎研究力が全般に弱く、研究陣が分散し、国の基礎研究への資金投入を大幅に増やすのが難しいという当時の実情に基づき、基礎研究のレベルを引き上げ、自国の基礎研究の発展に適した新しい体制を探究するため、旧国家計画委員会のリーダーシップの下、旧国家科学技術委員会、旧国家教育委員会、中国科学院等が国家重点実験室建設計画を共同で手配・実施した。

(1)国家重点実験室の建設と発展の歩み

 1984年、国家重点実験室建設計画が政府の支援を受けることになった。中国の科学研究活動の基礎と国の要求に基づき、大学及び研究所の優位な学問分野と研究チームを拠り所として、政府は6,100万元を投資し、まず10の国家重点実験室の建設を認可した。同時に、1,660万米ドルの外貨枠を割り当てることを決め、国外の先進的機器の購入に充てた。1984年~1993年は政府の投資で国家重点実験室を建設する主要な時期の1つであり、また、国家重点実験室が急速に発展する重要な段階でもあった。この期間中、国は計約9億元の経費を出し、81の国家重点実験室を建設し、国家教育委員会、中国科学院、農業部、衛生部等の関連大学と研究所に重点的に配置した。

 国家重点実験室建設計画の実施初期に、比較的厳格な建設・管理手順が定められた。この段階において、旧国家計画委員会は国家重点実験室業務会議を2度招集し、「国家重点実験室建設試行管理弁法」、「国家重点実験室評価規則(試行)」、「国家重点実験室管理情報統計年報」をそれぞれ制定した。また、「開放、連合、流動」の運営管理メカニズムを打ち出した。

 1991年、中国は世界銀行と「重点学問分野発展プロジェクト与信協定」(期間5年)を結び、世銀から8,633万米ドルの融資を受けることになり、75の国家重点実験室の建設を認可した(プロジェクト立ち上げは1987年)。世銀の融資で建設された国家重点実験室の多くは国民経済・社会の発展要請に密接に関係するエンジニアリング分野に設けられている。これらの実験室の完成は、中国の国家重点実験室の枠組みが基本的に整ったことを示すものである。

 1998年、国務院は「国家計画委員会が担当している国家重点実験室の業務及び関連経費の割り振りを科学技術部に帰属させる」ことを明確にした。科学技術部は国家重点実験室に対する管理を強化するため、その学問分野の配置及び発展計画について十分な調査研究を行うとともに、新たな時期における中国の基礎研究発展の必要性及び国民経済・社会の発展要請、国の安全保障と結び付け、国家重点実験室全体の発展に関する提案と意見を出した。

 国家重点実験室の建設と運営を一段と強化・充実させ、影響力と競争力を持つ国際的な一流実験室を育成し、中国の国情に適う実験室体系を徐々に築き上げるため、科学技術部は2002年に新たな「国家重点実験室建設・管理暫定弁法」を公布した。この暫定規則は国家重点実験室の主な目的と位置付けを一段と明確にし、管理と建設の申請に関する手順を規範化したものである。2003年、「国家重点実験室改革・発展の道筋」、「国家重点実験室建設・管理暫定弁法」、「原初革新能力の一層の向上に関する意見」、「科学技術評価作業の改善に関する決定」に基づき、科学的に分析し、且つ関係部門と各国家重点実験室から幅広く意見を求めることを踏まえ、評価規則についても大幅な手直しを行い、新たな「国家重点実験室評価規則」を公布した。その主な目的は「科学技術革新を奨励し、実験室が重要な成果を上げるよう導き、大きな影響力を持つ国家重点実験室を育成する」ことである。この評価規則は定量評価を廃止し、代表的な成果に対する評価を際立たせ、実験室が精力を集中して原初革新の研究に取り組み、シンボリックな成果を出すよう導くものである。評価指標が一段と簡素化され、実験室に対する全体の評価に力を入れた。

 国家重点実験室の導きと影響の下で、各部門と地方は多くの部門重点実験室(約500)と省(市・自治区)重点実験室(約300)を相次いで設立した。国家重点実験室を主とし、部門と省(市・自治区)の重点実験室を補助とする実験室体系が一応出来上がった。また、中央官庁と各一級行政区による実験室の共同建設が進められた。数年後、省(一級行政区)と部(中央官庁)の共同建設による国家重点実験室育成基地(『省・部共同建設実験室』と略)はその基本的配置が整った。2007年、江蘇省食品品質安全等8つの重点実験室が省・部共同建設実験室として新たに認可・建設され、これにより、省・部共同建設実験室の認可・建設総数は47に達した。そのうち、山東省作物生物学実験室、四川省地質災害防止・地質環境保護実験室等4つの実験室が国家重点実験室建設計画の論証にパスし、国家重点実験室に仲間入りした。

 国家実験室の建設が急ピッチで進んだ。国家実験室は国家重点実験室とその他関連実験室を基礎に、総合力の高い研究型大学と科学研究院・所を拠り所として設立された、規模が比較的大きく、人材が集まり、管理方式が全く新しい学際的な科学研究機関である。科学技術部は、国家実験室の主要任務は1.国の発展と密接に関わる基礎的、戦略的な、先見性のある科学技術革新活動を展開する、2.国際的な一流実験室の育成を目標とし、国の近代化と社会発展の要請を指針として、基礎研究、ハイテク研究、社会的公益の研究を積極的に繰り広げる、3.国の重要な科学研究課題を主に引き受け、独創性と自主知的財産権を持つ重大な科学研究成果を生み出し、経済建設、社会の発展、国の安全保障を技術面でサポートし、関連業界の技術進歩に大きく貢献をすることである、と明確に指摘した。

 科学技術部は2000年から国家実験室の試行作業に取り掛かった。近年、その作業は飛躍的進展が得られ、国家実験室特別経費を計上し、オープンな運営、自主的なテーマ選択研究、研究機器設備の更新という3つの側面から安定した支援を与えた。2007年の国家実験室の特別経費は14億元、立ち上げ経費は2億元となった。6つの試験的な国家実験室と2006年末に新たに認可された10の国家実験室の設立準備作業は順調に進んでいる。国家実験室は全く新しい管理体制と運営メカニズムを採用し、理事会と管理委員会の制度を実行し、実験室主任は世界から公募した。実験室の最適な整理統合・再編と機器設備のオープンな共有に力を注ぎ、研究スタッフの合理的な流動を促し、実験室の強者連合を奨励し、その好ましい競争を維持している。

(2)国家重点実験室の現状

1. 国家重点実験室の全体配置

 2006年末現在、運営中の国家重点実験室の数は197、国家実験室(設立準備)は6で、そのうち8つの国家重点実験室が国家実験室の設立準備に参画している。本論文は189の国家重点実験室と6つの国家実験室(準備)について統計をとった。実験室の学問分野の分布は化学科学21、数理科学10、地球科学29、生命科学51、情報科学26、材料科学21、エンジニアリング31となる。6つの国家実験室(準備)は学問分野の区分がまだ行われていない。

表1 国家重点実験室の学問分野の分布単位:室
所属分野 化学科学 数理科学 地球科学 生命科学 情報科学 材料科学 エンジニアリング科学
21 10 29 51 26 21 31
図1 2006年の国家重点実験室の学問分野分布割合図

図1 2006年の国家重点実験室の学問分野分布割合図

 管轄部門の分布。2006年に国家海洋局、陜西省、河北省でそれぞれ1つの実験室が新設され、これにより、国家重点実験室と国家実験室(準備)の主管部門は15となった。教育部と中国科学院が主管する国家重点実験室の割合が最も多く、それぞれ52.3%と32.3%になる。

表2 国家重点実験室の管轄部門の分布単位:室
主管部門 教育部 国防科学技術
工業委員会
農業部 衛生部 国家人口・
計画出産委員会
中国
科学院
中国
地震局
中国
気象局
102 4 5 6 1 63 1 1
主管部門 国家
海洋局
総後勤部
衛生部
河北省 陜西省 上海市 四川省 陜西省 体制転換の研究機関
1 4 1 1 2 1 1 1
注:連合実験室の統計は第一主管部門に従う。
図2 2006年の国家重点実験室の管轄部門分布割合図

図2 2006年の国家重点実験室の管轄部門分布割合図

 地域分布。実験室は全国の22の省、自治区、直轄市に分布している。そのうち北京が最も多く、2006年の国家重点実験室の数は計63で、全体の32.3%を占める。次が上海の27で、13.8%を占める。また、湖北省が14、江蘇省が12、陜西省が11となり、これは中国の基礎研究力の分布を基本的に示すものである。

表3 国家重点実験室の地域分布単位:室
所在地域 所在地域 所在地域 数 目
北京市 63 天津市 4 河北省 1
山西省 2 遼寧省 9 吉林省 8
黒竜江省 2 上海市 27 江蘇省 12
浙江省 8 安徽省 2 福建省 3
山東省 2 湖北省 14 湖南省 4
広東省 6 四川省 7 貴州省 2
雲南省 1 陜西省 11 甘粛省 5
重慶市 2
図3 2006年の国家重点実験室の地域分布

図3 2006年の国家重点実験室の地域分布

2. 国家重点実験室の科学研究

 2006年は国家レベルの研究課題計6,272件、省・部レベルの研究課題3,632件を引き受け、計43億3,000万元の研究経費を獲得した。そのうち国家レベルの課題の経費は20億7,700万元で、経費全体の48.0%を占めており、「ナショナルチーム」としての役割が十分に発揮された。

表4 国家重点実験室の研究課題内訳
課題
種別
国家レベル 省・部
レベル
国際
協力
横断的
協力
863
計画
973
計画
国防科学研究 科学技術
難関攻略
科学技術重大
特別プロジェクト
国家重大
プログラム
国家自然
科学基金
課題(件) 537 809 226 133 111 147 4309 3632 1034 4125
経費
(万元)
33189 56325 8872 7187 13205 7411 81499 194756 32460 88206

 2006年、国家重点実験室と国家実験室(準備)が受けた国家レベルの表彰は45件(課題の完成が最初でない実験室を含む)で、そのうち植物細胞・染色体工学国家重点実験室の李振声院士(アカデミー会員)は唯一の国家最高科学技術賞を受賞した。国家自然科学賞は15件で、その年の同賞授与総数の51.7%を占めた。固体微細構造物理国家重点実験室の「誘電体超格子材料の設計、調製、性能と応用」は、国家自然科学賞の1等賞を受賞した。また、科学・工学計算国家重点実験室の「非線形最適化の計算方法と理論」、無機合成・調製化学国家重点実験室の「開放骨格リン酸アルミニウムの新しい構造タイプの開拓」等の研究成果が国家自然科学賞の2等賞を受賞した。

 学術交流およびほかの研究機関との提携において、国家重点実験室は国内外の学術交流を積極的に進め、国内外の有名な大学、科学研究機関、企業との協力を一段と拡大し、オープンな学術環境を築くための良好な外部条件を作り出し、国際学術界における実験室の学術的地位と知名度を高めた。2006年、国家重点実験室は計1,034件の国際協力プロジェクトを引き受け、3億2,400万元の研究経費を得た。世界的な学術会議を170回開催し、国内外の学術会議で特別招請報告を1,875回行い、延べ3,593人の外国人専門家が中国に招かれて学術講演を行い、また、延べ1,154人が外国で学術講演を行った。

 課題の実施を通じて、国内の関連学問分野の発展を促し、国家重点実験室の影響力を高めた。2006年、国家重点実験室は計1,693件のオープン課題を設定し、経費は5,338万元であった。

3. 国家重点実験室の人員構成と人材育成

 国家重点実験室は一群の優秀な科学技術人材を導入、結集、育成し、科学の最前線に立つリーダーを育て上げ、年齢構成と知識構造が合理的な資質の高い研究陣を確立した。

(1) 人員構成

 2006年末現在、国家重点実験室には196人の中国科学院院士(アカデミー会員)と104人の中国工程院院士がおり、それぞれ院士総数の28.3%と14.8%を占める。国家傑出青年科学基金の獲得者は計569人で、全体の34.5%を占め、イノベーション研究集団科学基金の資金助成を受けたのは計86人で、61.4%を占める。また、中国科学院「百人計画」の入選者は411人、教育部「長江学者奨励計画」の特別招聘教授は215人となる。2006年に国家傑出青年科学基金の資金助成を受けたのは57人で、同年の総人数の33.3%を占め、イノベーション研究集団科学基金の資金助成を受けたのは14人で、63.6%を占めた。これらは国家重点実験室のチームワーク精神を十分に体現するものである。

表5 国家重点実験室の陣容単位:人
種別 中国科学院院士 中国工程院院士 国家傑出青年科学基金の獲得者 イノベーション研究集団科学基金 中国科学院「百人計画」の入選者 教育部「長江学者奨励計画」の特別招聘教授
国家重点実験室の所属人数 196 104 569 86 411 215
全国の現有総数 692 698 1649 140 1549 1121
割合(%) 28.3 14.9 34.5 61.4 26.5 19.2

 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの専門技術職の内訳を見ると、高級職階名を持つスタッフは7,950人おり、全体の77.9%を占める。そのうち正高級職は5,120人で、副高級職が2,830人。

表6 国家重点実験室常勤スタッフの専門技術職内訳単位:人
専門技術職 正高級 副高級 中級 初級 その他
2006年 5120 2830 1700 439 114
図4 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの専門技術職割合図

図4 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの専門技術職割合図

 国家重点実験室常勤スタッフの年齢構成では、中青年の研究スタッフが中心となっている。2006年は30~44歳のスタッフが6,281人で、全体の61.6%を占め、45~59歳が2,222人で、21.8%を占めた。

表7 国家重点実験室常勤スタッフの年齢分布単位:人
年齢 <30歳 30-44歳 45-59歳 ≧60歳
2006年 616 6281 2222 1084
図5 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの年齢分布図

図5 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの年齢分布図

 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの学歴構成を見ると、大学院生の学歴を持つのは8,107人おり、全体の79.5%を占める。そのうち博士は6,611人で、修士が1,496人。

表8 国家重点実験室常勤スタッフの学歴状況単位:人
学歴 博士 修士 本科 その他
2006年 6611 1496 1597 499
図6 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの学歴状況割合図

図6 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの学歴状況割合図

 2006年、国家重点実験室の研究者は全体の82.8%を占める8,447人で、技術者と管理者がそれぞれ1,082人と674人。かなり合理的な人員構成となっている。

表9 国家重点実験室常勤スタッフの構成状況単位:人
種別 研究者 技術者 管理者
2006年 8447 1082 674
図7 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの構成割合図

図7 2006年の国家重点実験室常勤スタッフの構成割合図

 2006年に国家重点実験室で働いていた非常勤スタッフは計3,520人。内訳は国内が3,071人、国外が449人。博士号を持つ非常勤スタッフは2,315人で、65.8%を占める。

表10 国家重点実験室非常勤スタッフの構成単位:人
非常勤スタッフの
タイプ
学歴 人数 非常勤スタッフに
占める割合
国内 博士 1899 54.0%
修士 496 14.0%
学士その他 676 19.2%
国外 博士 416 11.8%
修士 17 0.5%
学士その他 16 0.5%
合計 3520 100%
(2) 人材育成

 国家重点実験室は学問分野の発展と人材育成を促す面で重要な役割を発揮している。国家重点実験室を拠り所とするポスドク流動ステーション、博士学位授与機関、修士学位授与機関は計1,954を数える。2006年、国家重点実験室に入学、入所した博士、修士、ポスドクは計49,479人、卒業、出所した博士、修士、ポスドクは15,567人。卒業した博士課程院生のうち、19人が2006年度全国優秀博士学位論文として認められ、同論文総数の19.2%を占めた。

表11 国家重点実験室の学位授与機関設置と人材育成単位:人
種別 学位授与機関(カ所) その年に入学又は
入所した人数
その年に卒業又は
出所した人数
修士 848 27050 9817
博士 753 20790 5117
ポスドク 344 1639 633

(3) 発展の成果と存在する問題点

1. 発展の成果

 国家重点実験室は長年の建設と発展を経て、基礎研究、人材育成、学術交流等の面でいずれも顕著な進歩が得られた。科学研究の実力と全体のレベルが飛躍的に向上し、多くの質の高い研究成果を収め、中国の科学技術活動を促し、経済・社会の重大問題を解決するのに大きく貢献した。

 (1)重点実験室は科学研究任務を引き受ける能力が著しく向上し、「ナショナルチーム」としての役割を大いに果たした。

 第10次5カ年計画(2001~2005年)期間中、計8,441編のSCI論文を発表し、これは第9次5カ年計画期(1995~2000年)の3.4倍に相当する。そのうちNature、Science、Cellというトップレベルの国際学術刊行物に第一筆者又は通信筆者として発表した論文は22編で、中国大陸の学者が生命科学分野で発表した論文の60%以上を占める。重点実験室は今や中国の基礎研究の中核的な担い手となり、自国の基礎研究活動が世界の先進水準を目指して突き進むのに大きく貢献した。

 (2)重点実験室は科学研究の最先端分野を探究し、国の重大な戦略目標に役立たせる面で際立つ貢献をした。

 重点実験室は中国の生命科学分野における基礎研究全体のレベルを代表し、原初革新の揺籃の地となっている。重点実験室は科学の最先端を探る研究で一連の独創的成果を上げただけでなく、国の要請に積極的に応え、国民経済・社会の発展において重大なカギとなる問題の解決のために力強いサポートを提供している。

 (3)重点実験室は良好な学術的雰囲気を作り上げ、優秀な科学技術人材を導入、結集しており、多くの傑出した学術リーダーが輩出した。重点実験室は失敗を容認し、伸び伸びとして和やかなイノベーション環境を作ることに努力を払い、スタッフが浮ついた気持ちを捨て、研究に没頭するための好ましい雰囲気を与えた。例えば、脳・認知科学国家重点実験室の劉力研究員は、キイロショウジョウバエをモデルとし、学習・記憶細胞分子の仕組み及び神経退行性疾病のメカニズムについて研究を進め、5年の間全く論文を発表しなかった。しかし、実験室は十分に信頼し、その研究活動を力強く支えてきた。5年に及ぶひたむきな研究の末、国際的に有名な学術定期刊行物Natureに「Article」の形で「2種類の視覚パラメータに対するキイロショウジョウバエの脳記憶」と題する研究論文を発表し、同誌の論評で高い評価を受けた。

2. 存在する問題点

 (1)経費の投入不足。国家重点実験室の経費の大部分は各種の競争的な科学研究プロジェクトに由来するものである。このため、国家重点実験室は所定の研究方針と建設目標に沿った研究を継続するのが難しく、また、国内外の優秀な人材を実験室に招いて研究を進めるのが難しい。

 (2)学問分野の割り振りが理想的なものでない。現在、国家重点実験室は総合・学際分野と新興の最先端分野での陣容が不足している。一部の実験室は研究陣の規模が小さく、能力が分散し、国の重大な科学研究任務を引き受けるのが難しく、学問の発展をリードする役割が全体的に制限されている。

 (3)人員構成が理に適っていない。国の現行政策はハイレベルの実験技術陣が腰を据えて仕事をするのに不利なものとなっている。その結果、一部の国家重点実験室はハイレベルの実験技術スタッフが不足しており、大型の尖端機器設備を自主開発する能力が弱い。

2.教育部人文社会科学重点研究基地

 教育部は1999年から「普通大学人文社会科学重点研究基地建設計画」を実施しており、既に10年の歴史を持つ。この重点研究基地は大学の人文社会科学の繁栄・発展におけるシンボリックな成果となった。

 中国の大学社会科学研究機関の沿革から見ると、教育体系と平行した研究機関設立の実践は、中央が1960年代に国際問題研究機関の設置に力を入れたことに遡ることができる。1964年、実体的な国別研究機関が全国に設置され、これには中国人民大学のソ連東欧研究室、北京大学のアジア・アフリカ研究所、厦門大学の南洋研究所等が含まれていた。これらの研究所の設立は、中国の大学が専門の社会科学研究機関と専任の研究スタッフを持ち始めたことを示している。1978年から1991年にかけて、大学の人文社会科学研究機関が急ピッチで建設された。この13年の間に、教育部と旧国家教育委員会は計123の「省庁認可」研究所の設立を承認した。これらの専門研究機関は学科再開、科学研究、人材育成、コンサルティングサービス等の面で多大な貢献をしたが、体制問題とメカニズム刷新の問題を抱えていた。このため、国家教育委員会は1994年に「大学の人文社会科学研究活動の強化・改善に関する若干の意見」を印刷・配布し、体制改革によってこれらの問題を解決する基本構想を示した。

 5年の準備と根回しを経て、教育部は1999年6月に「普通大学人文社会科学重点研究基地建設計画」(以下『基地建設計画』と略)を印刷・配布し、3つの側面から重点研究基地建設の青写真を描いた。第1に、「構造を最適化し、合理的に配置し、重点を際立たせ、基礎研究と応用研究の双方に気を配る」との要求に従って建設を進める。第2に、「体制改革、科学研究、人材育成、学術交流、コンサルティングサービス」の5大任務を軸に建設を進める。第3に、建設の歩みにおいては3年で顕著な優位と特色を確立し、6年で全体の科学研究レベルと重大な意思決定への参画能力を国内トップの地位に立たせ、10年で国際学術界から高い名声を得ることを目指す。

 重点研究基地の建設は「3段階」戦略を実施することにした。第1段階は1999年から2001年までの3年間とし、国家クラスの水準を備えた100前後の重点研究基地を積み重ね方式で審査・確定し、建設計画に組み入れ、科学研究体制改革の深化、重要な課題研究の手配、科学研究経費の増額、動的モニタリング評価等の措置を通じ、5大任務を実行に移し、強固な研究基礎を築く。そして2001年には建設計画に組み入れられた重点研究基地が顕著な優位性と特色を持つようにする。第2段階は2002年から2005年までとし、さらに3年の建設を経て、各重点研究基地の全体の科学研究レベルと重大な意思決定への参画能力を国内トップの地位に立たせる。第3段階は2006年からスタートし、さらに数年の建設を経て、国際学術界から高い名声を得ることを目指すというものである。

 重点研究基地の3つの基本的経験は次の通り。

 (1) 国内トップレベルと世界レベルを目安に基地建設の目標を定める。1978年から1998年までの20年間、中国の大学の主な人文社会科学研究はまだ基礎を築く段階にあった。この時期、大学の社会科学研究レベルは国際レベルに比べ大きな開きがあった。重点研究基地の建設が1999年にスタートして以来、大学の社会科学研究は国内トップレベルと世界レベルに向かって突き進む条件を次第に備えるようになった。「基地建設計画」は、「重大研究プロジェクトを引き受け、重大課題の難関攻略を手配し、重大研究成果を生み出すことを通じ、基礎研究と応用研究を同時に発展させ、知識イノベーションの仕組みを確立し、科学研究の全体レベルを全国トップの地位に立たせる。さらに世界の同じ研究分野で高い学術的名声を手に入れ、名実相伴う国家レベルの重点研究基地となる」ことを強調している。最初の3年間の重点研究基地建設期間中に、650件余りの基地重大プロジェクトの立ち上げ、1件当たり経費20万元の資金助成があり、重大プロジェクトの立ち上げ件数、資金助成の金額の多さで当時の最高記録を塗り替えた。2001~2006年の間に、重点研究基地は18件の国家社会科学基金重大プロジェクト、95件の教育部人文社会科学重大課題難関攻略プロジェクトを引き受け、それぞれ全体の51%と82%を占めた。また、851件の国家社会科学基金プロジェクト、2,450件の省・部レベル科学研究プロジェクト、409件の国際協力プロジェクトを引き受けた。獲得した科学研究経費は累計で8億4,000万元となり、第10次5カ年計画期における大学人文社会科学研究経費全体の14%を占めた。1999~2005年の間に、重点研究基地は多くの成果を発表した。そのうち国外の学術刊行物に発表した論文数は2,413編、SSCIとA&HCIに収録された論文数は792編、CSSCI定期刊行物に発表した論文は20,713編となる。また、基地の名で出版された学術専門書は5,597冊で、そのうち国外で出版された著作は162冊を数える。受賞した教育部全国大学人文社会科学優秀成果賞は189件で、同賞総数の約15%を占める。さらに1,338件の省レベル社会科学優秀成果賞を受賞した。

 (2) 科学研究プラットフォームを築いて研究スタッフを重点的に集める。基地の科学研究プラットフォーム作りは「巣作り」から始まり、研究条件を改善した。基地建設の最初の3年間に、教育部は計9,000万元の建設経費を投入し、大学側もこれに合わせて計1億1,000万元を投入した。両者を加えた2億元の経費投入規模は、第7次~第9次5カ年計画と第10次5カ年計画前半3年間の計18年間に中央財政から大学の人文社会科学研究向けに投入された経費総額を超える。科学研究条件の改善は学外の多くの著名な学者と海外の人材を引き付け、こうした人々が基地に来て研究を行うようになり、イノベーション集団が初歩的に築かれた。プラットフォームは人材をつなぎ止め、引き付ける役割を果たしたのである。現在、重点研究基地には数百人の学術リーダーがおり、中国の人文社会科学の繁栄と発展を支える大黒柱となっている。重点研究基地の陣容には専任・兼任研究スタッフの他、外郭団体もあり、それは基地の学術委員会である。各重点研究基地の学術委員会には全国の人文社会科学研究分野のほぼ全ての著名な学者が加わっている。2006年末現在、重点研究基地で科学研究の仕事に携わる専任スタッフのうち、教授は72%以上を占め、博士が73%以上を占める。また、教育部「長江学者」は39人で、人文社会科学「長江学者」全体の66%を占める。世紀を跨ぐ新しい世紀の優秀人材人材育成計画の入選者は190人で、総数の約34%を占める。

 (3) 「シンクタンク」の役割を果たす。重点研究基地は学問分野の分布において基礎分野と応用分野、伝統分野と新興分野、単一分野と総合分野が結び付くかなり合理的な構造を作り上げた。基地建設の5大任務では基礎研究と応用研究の2つの側面がそれぞれ強調されており、このため、100前後の基地の研究分野は中国の経済、政治、法律、社会、文化の各方面をほぼ網羅したものとなっている。第10次5カ年計画(2001~2005年)期間中、重点研究基地は実務担当部門から1,500件余りの応用研究課題を引き受け、300人余りの中堅学術スタッフを実務部門の顧問として派遣し、各級政府と企業・事業体に全方位・多段階のコンサルティングサービスを提供した。2001~2005年の間に、重点研究基地が中央レベルと省・部レベルの事業所に提出したコンサルティング報告、政策提言は3万件余りに達し、そのうち1,379件が直接採用され、67件は中央指導部から指示が得られた。重点研究基地は全国的に有名なシンクタンク、コンサルティングサービス基地となったものが少なくない。党と政府に政策の参考を示し、意思決定への助言を行う上で、重点研究基地は際立つ役割を果たした。

3.中国の国家重点実験室と重点研究基地の将来の発展に向けた戦略措置

 国家重点実験室と重点研究基地は中国の経済建設に役立ち、科学技術の発展レベルを引き上げ、優秀な人材を育成する等の面で豊かな成果を上げた。国が公布した「国家中長期科学・技術発展計画要綱(2006~2020年)」は、「中国の特色を持つ自主イノベーションの道を歩み、イノベーション型国家の建設に努める」との全体目標を打ち出した。これは国家重点実験室と重点研究基地に対して新たな要求を突き付けるものであり、マクロの管理と研究配置に一層の力を入れ、国家重点実験室と研究基地の自主イノベーション能力を強化し、「イノベーション型国家の建設」という重要な戦略任務の達成を保障しなければならない。

 基礎研究は人類の文明を進歩させる原動力であり、科学技術と経済を発展させる源泉となり、新しい発明を導く役割を果たし、ハイレベルの人材を育成する揺籃となる。科学技術は経済と社会の発展においてますます重要な役割を発揮しているが、それと同時に、科学技術の発展における基礎研究の重要な地位と役割が広く認められるようになった。国家重点実験室と重点研究基地は国家イノベーションシステムの重要な一部であり、国がハイレベルの基礎研究と応用基礎研究を手配し、優秀な科学者を結集・育成し、学術交流を繰り広げるための重要な基地である。国と社会は戦略的視点から国家重点実験室と重点研究基地の建設・発展に力を入れ、戦略的措置を講じて、先見性のある戦略的、大局的な部署配置を行い、カギとなる問題を解決し、科学の発展を促進しなければならない。

1. 戦略的配置を強化する

 国家重点実験室は「ここぞと思う時に大いにやる」、「必要なものを選び、重点を選び、優れたものを選ぶ」という原則に従い、全面的に配置し、重点を際立たせ、統一的に計画・考慮し、釣り合いのとれた発展を図るべきである。若干のカギとなる、戦略性を備えた、国の重大な要請に応える科学技術分野の優先目標、及び長期の発展に影響する基礎的な、社会的公益性を備えた重大な科学技術問題を戦略の重点とし、統一的に手配し、資源の配置と整理統合を行う。また、国家重点実験室を中心とし、部門重点実験室を補助とし、学問分野の分布が合理的で、運営メカニズムが整った重点実験室の体系を作り上げる。

 既存の重点実験室に対して整理統合、再編、最適化を進め、実験室が国民経済と社会の発展要請、科学技術自体の発展要請によりよく応えられるようにする。また、合併、淘汰等の措置を通じて、国家重点実験室の構造を最適化し、その学問分野の分布が一段と理に適い、実験室の交流と協力が一層密接に行われるようにする。その一方で、一群の国家重点実験室を引き続き新設する。重要な基礎学問分野、国の経済と社会の発展にとって急を要する一部の新興学問分野と重要な最先端分野で、特に優秀な能力が集まっているが、実験室が不足している分野において、一群の国家重点実験室を適度に新設することを優先的に考慮する。学際分野と総合分野が重視されつつある科学技術の発展動向を踏まえ、全体の能力が優れ、学問分野が近く、研究方向が比較的集中している一部の国家重点実験室を拠り所として、試行を通じ、規模が適切で、研究方向が幅広く、総合力が高く、複数の学問分野が融合し、人材が集まり、管理が刷新された国家実験室を建設し、中国の実験室が出来るだけ早く国際基準にリンクできるようにする。今後、国家重点実験室、国家実験室という2種類の基本形態は互いに補い合い、長期間共存し、国家イノベーションシステムにおける国の基礎的な研究拠点を共同で築き上げることになろう。

2. 経費の投入を増やす

 基礎科学研究は中国の将来の経済・社会発展においてますます重要な役割を果たすことになろう。中国の総合国力に見合わないのは、国民総生産(GNP)に占める科学技術への資金投入の割合が長年低い水準に置かれていることであり、2007年はわずか1.49%であった。これは1960年代の米国の2%よりずっと低く、日本とドイツの1.5%の水準よりも低い。科学技術への資金投入を大幅に増やし、2020年には、国内総生産(GDP)に占める社会全体の研究開発への資金投入の割合を2.5%以上に引き上げなければならない。多元的・多ルートの科学技術投入システムを確立し、GDPに占める社会全体の研究開発投入の割合を年々高め、科学技術投入水準をイノベーション型国家への仲間入りという要請に見合ったものにする。その一方、国家重点実験室と重点研究基地の建設に関する経費投入規則を定め、その建設のための特定目的基金を設立し、国家重点実験室と重点研究基地に対する国の支援を確実に強化し、重大特別プロジェクトの円滑な実施を保障する。

3. 国際的な一流の研究陣の育成を急ぎ、プロジェクト、基地、人材の有機的な結合を促す

 国家実験室、国家重点実験室、人文社会科学重点研究基地等を拠り所として、自主イノベーションの重大プロジェクトを手配・実施し、ハイレベルの人材を導入・結集し、プロジェクト、基地、人材の有機的な結合を促す。より好ましい科学研究環境を作り出し、学術的雰囲気に力を入れ、国内外の優秀な学者を大いに導入・結集し、様々な方式で国家重点実験室と研究基地の研究活動に参画させなければならない。「人間本位とし、各人の才能が十分に生かされる」ことを堅持し、人員の秩序ある流動を促す。年功序列を打ち破り、学術交流制度を改善・充実させ、同僚が認める仕組みを整えて、中青年の優秀な科学技術者が頭角を現せるようにし、開拓・進取の精神に富み、国際的に大きな影響力を持つ一流の科学者を育て上げる。

 質の高い人材の育成に力を入れ、中国の国家重点実験室又は基礎研究のために新しい力を蓄える必要がある。国家重点実験室と研究基地の有利な条件を十分に利用し、大学院生、ポスドク等の科学技術予備人材の育成に力を入れなければならない。科学者と優秀な若手中堅が国内外の共同研究と学術交流に参加するのを奨励・支援し、研究のスタートラインを引き上げ、国際的な科学研究環境の中でハイレベルの若い学術リーダーと科学技術人材を育成・育成する。重大プロジェクトの実施と結び付けてイノベーション人材の育成を強化する。国家科学技術計画プロジェクトの審査、検収、国家重点実験室の審査、科学研究基地建設の総合業績評価において、人材育成を重要な考課指標とする。

4. 国の重大な科学研究任務を積極的に引き受ける

 能力が比較的分散しており、重大目標を軸に勢力を結集して科学研究の難関攻略、最先端分野の研究を効果的に手配するのが難しいという弱点を克服し、強力な政策・措置を講じ、エキスパートシステムの役割を十分に発揮させ、重大プロジェクトの育成と組織的管理を大いに強化する。重点実験室、人文社会科学重点研究基地等のイノベーション基地を拠り所とし、国内外に目を向けて著名な学者、専門家を導入・結集し、世界一流の水準を備えたイノベーション集団を徐々に作り上げ、中国が科学研究の頂点を極め、重大な科学研究問題を解決するための「ナショナルチーム」とする。国の科学研究発展戦略を軸に、限定目標を選び、有能な力を集め、国の重大任務と重点任務をより多く引き受け、重大な科学技術成果を手に入れる。

5. 良好なイノベーション文化を築き、良好なイノベーション環境を作ることに努める

 科学的で実行可能な評価システムを確立しなければならない。現在の評価指標を改善・充実させ、国際基準に徐々に合わせていく。評価の指標システムはイノベーションを奨励し、学際科学と人材育成を奨励し、開放と資源共有を奨励することを特に強調しなければならない。各実験基地の指標システムはタイプ別に定め、それぞれに重点の置き方があり、国家重点実験室の共通性を反映させるだけでなく、各々の特徴を体現できるものでなければならない。

 学問分野の発展法則に適い、研究の質に対するガイドラインが明確で、評価による監督が力強く、成果が速やかに転化され、組織運営の効率が高い科学研究運営メカニズムを積極的に探究・確立する。統一的指導、全般的配慮、層別管理、一体化推進の原則に従い、指導が力強く、責任が明確で、管理の行き届いた科学研究管理体制を作り上げる。こうした新しい体制は複数の学問分野の研究陣結集、総合問題研究、基礎研究、応用研究、技術開発と統合革新との効果的なつながりを保障し、重大な総合的科学技術問題の解決に有利で、政府部門、産業界、科学技術・教育界の意志と知恵の結集に有利なものでなければならない。

6. 国内外の科学研究交流・協力を拡大する

 対外開放を積極的に拡大し、国際的な科学研究交流・協力に力を入れ、世界の科学技術資源を利用して自主イノベーション能力を高め、国家戦略の要求に応える。国家重点実験室、重点研究基地が世界の有名な大学、科学研究機関、有力企業と共同で科学研究、人材育成を行い、科学技術組織、さらには戦略同盟を結成するのを奨励する。国家重点実験室と重点研究基地が世界的又は地域的な二国間、多国間の科学技術協力計画と人的交流に参画し、世界各国の最先端技術を学び、最新知識、技術創造、研究開発条件を適時に分かち合うのを支援する。

 国家重点実験室の人材確保に関する国際化の理念を確立し、先進国のやり方に倣い、必要な人材導入措置を定める。実験室の運営経費の中で一定割合の開放経費を計上し、オープン課題の支援、国内外客員スタッフへの補助等の支出に充てるべきだ。優秀な留学生と海外科学技術者の帰国(訪中)を促し、国家事業に役立たせるための計画を策定・実施する。国の自主イノベーション戦略、重大科学技術特別プロジェクト、重点イノベーション事業と結び付け、研究グループの導入、中核的人材の導入等の多様な方式により海外の優秀な人材を確保する。